見出し画像

算数科授業研究「1学年:ひきざん」

11月7日(火)に1年3組で,6日(月)には2組,2日(木)には1組で,算数科低学年ブロック授業研究会を行いました。
「繰り下がりのあるひき算」の単元の3時目です。

真剣に学びに向かう姿勢

この時期の1年生は,算数ブロックなどを使った操作にも慣れてきた頃で,1位数同士の加法・減法で算数ブロックを用いて答えを求める活動を繰り返してきたことで,ブロックがなくても直感的に答えを求められるようになってくる時期です。

そこで,子どもの学びの現状を知り,この時期に適切な指導の在り方を研究するため,「図と文」「ICT機器(タブレット)」「算数ブロック」と,
3クラスがそれぞれ違った手立てを重点にして授業を行いました。

前時の「13-9」の計算方法をもとに,「14-8」の計算の仕方を考えました。

前時の学習から、「10のまとまり」からとる減加法の計算の仕方を振り返ります。
ビデオで確認した減加法を,実際に算数ブロックを使って声に出しながら再現します。

既習をもとに類推的に考え,10のまとまりからとる方が「すぐ取れる」「1回で取れる」「まとめて取れる」などの意見が出ました。

具体物(どんぐり)と半具体物(算数ブロック)を,1対1対応させながら置き換えていきます。
その後,算数ブロック「10のまとまりと4」に並べ,数字14をさくらんぼで「10と4」に分けます。
数の概念形成に時期には,こうした具体的操作をイメージ化し,念頭操作・数字へと丁寧に導いていくことが大切です。

「ピアジェの発達段階」でも,操作と式・計算を結び付けることが大切で,形式的に答えを求めさせると,理解困難に陥ると指摘しています。

図の操作を,式・文につなげていったクラスは,具体から抽象(念頭)に一歩近づきながら,話型(文型)を繰り返すことで,自分の考えを説明する力(論理的思考力)を育んでいきます。

このクラスは,タブレットで操作をイメージしながらワークシートにまとめていきました。

本単元のねらいである「計算の仕方を操作や図を用いて考える力」を育んだ後,もう一つのねらいである「操作や図を用いて考えた過程を振り返り,そのよさを感じる」ために,減々法の計算方法についてたずねてみると,
「分かりにくくなる」「時間がかかっちゃう」「まとまりで取れない」などの意見が出されました。

最後に,適用問題に取り組みました。

分からなくなっり確かめるときに,算数ブロックでやってみる子。

ノートを振りかえり,既習を生かして考える子。

タブレットを使って確認する子など,多様な方法で学びを生かして類推的に考えたり,抽象と具体を行き来したりする中で,十進位取り記数法の原理や数の概念を身に付けていきます。

今回の研究で明らかになったことは,「計算ができる」=「数の概念を理解している」ではないということでした。
算数ブロックや図を操作して答えを求められても,計算の仕方をまとめられなかったり,式の意味を確実に理解していなかったりする場面が,適用問題などで見られました。

「計算の答えが当たっている」ことに安心せず,子どもの頭の中,思考の流れをきちんと把握して「分かっているつもり」をあぶり出してやることの大切さを改めて感じました。
この時期に,算数ブロックなどを使った操作活動を十分に行い抽象と具体を行き来しながら,活動のイメージを式や解き方につなげていくことが大切であることを再確認することができました。

子どもの発達段階と,身に付けるべき力を正しく理解し,数学的な見方・考え方を育んで行きたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?