クラウド上で評価課題をしてみた

中学生の成績を評価する課題(総括的評価課題)を,インターネットのクラウド上で行なってみた。
結果として,大失敗をしてしまい,かなり落ち込んだ。
今後に活かすために失敗点をまとめる。
ちなみに,私が現在勤めさせていただいている中学校では,生徒全員にタブレット型のパソコンが貸与されていて,実施学年は中学1年生。
パソコン上で総括評価課題をやるのは,これがはじめてとのこと。

1. 授業開始前の休憩時間

普段の授業は理科室で行なっているが,総括的評価課題ということで,普通教室を使った。
普通教室で行うことで,隣同士の距離を広くとることができる。
また,後ろから全員のパソコン画面を一望できる。
ここで,私の準備不足が露呈する。
教室につくや否や,「座席をどうするんですか?」と生徒から質問がきた。慌てて,ホワイトボード(黒板ではなくホワイトボードが教室にある)に座席と出席番号を書いていく。
生徒は座席を見つけながら,慌ただしく席についていく。

2. 評価課題をはじめるまで

授業が開始した。
「では,総括的評価課題のためにパソコンの電源をつけましょう。」
生徒はパソコンを用意し始めた。
「まずい,電源があと5%しかもたない。」
「あっ,充電コード忘れた。先生,充電コード取りに行っていいですか。」
生徒も準備に慣れておらず,手間取っている。
急いで取りに行くよう伝えて,他の生徒が準備する様子を見ている。
その後,全員が同じ足並みで進めるよう,全体に指示を伝える。
「〇〇を開いてください。」
「まだ,できていない人?」
一人手が上がった。
その生徒のパソコン画面を見ると,パソコンの様子が明らかにおかしい。インターネットのアイコンをダブルクリックすると,インターネットのスタートページが何重にも立ち上がる。
私は内心かなり焦っていたが,冷静なフリをして「再起動しようか。」と伝えた。
他の生徒には,「パソコンの調子が悪いから再起動します。少々お待ちを。」と伝えた。
教室が少しザワザワしてしまった。
なんとかパソコンを再起動させ,今度はうまくいった。

3. 評価課題中

「制限時間は,20分。では,はじめてください。」
全員がパソコンのキーボードをカタカタ叩いている。
私は,教室をまわりながら困っている生徒に対応する。
特に,困っている生徒はいなかった。
全員とてつもない集中力を発揮している。
開始から15分ほどたった。
はじめた瞬間ほど,キーボードのタイピング音はしなくなった。
考えながら,入力している様子がうかがえる。
「では,時間になったので,手を止めてください。」
全員がさっと手を止めた。

4. 評価課題後

「それでは,登録というボタンを押してください。」
「押せなかった人はいませんか?」
誰も反応しない。
「では,パソコンを片付けましょう。」
ここで私は,口頭による確認しかしなかった。
結果としてこれが大失敗につながった。
定期考査などで解答用紙を集めたら,名前の確認,答案の枚数の確認を入念に行う。
続いて,職員室に持って帰り,鍵のかかる棚で厳重に保管される。
パソコンでの試験だろうと当然厳重にやらなければならない。
しかし,口頭による確認のみだったため,うまく提出できていない生徒がいたことに気づかなかった。
しばらく経ってから,そのことに気づく。
課題提出後は,全員がきちんと提出できているかをまずは確認しなければならない。

5.まとめ

失敗点についてまとめる。まずは,パソコンの準備を,生徒が自分で考えてできるように,事前にうまく伝えられていなかったことである。続いて,課題を提出した後に,ちゃんと確認をしなかったことである。今後必ず改善しなければならない二点である。なお,きちんと提出できていなかった生徒は,同じような評価課題(内容は異なるが,評価基準は同じ課題)を後日行い,それを総括評価課題とすることになった。本当に肝を冷やした。