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想像地図の人が経験した人生最大の確変~個人情報を特定されてしまうの巻~

「四月」さんのこの文章を読んだ

もの凄い既視感を感じた。
世の中には自分に似ている人が3人いる」という言葉があるが、こんなにも自分に似た人生を歩んでいる人が、この世界に自分以外にも居るとは思わなかった。
ただし、想像地図の人が「似ている」と感じた対象は、上記の文章を執筆した「四月」さんではない四月さんのパートナーさんのほうである。

想像地図の人の人生の転換点

想像地図の人は、架空の土地の地図を描く「想像地図」という創作活動を2003年から現在までずっと続けているが、これ以外にも「駅名替え歌」という動画を作る創作活動を2014年から行っていて、YouTubeとニコニコ動画に投稿している。

駅名替え歌は上記のYouTubeチャンネルに動画を投稿している。
「駅名替え歌って何」と思う人は、まずこの動画を見ていただきたい。
(なお、下記の動画は「確変」よりも後に投稿したもの)

2014年6月に最初の駅名替え歌動画を公開してからは、1~2ヶ月に1本程度のペースで新しい動画を公開していた。

1年3ヶ月ほど経った2015年9月頃、想像地図の人の動画に熱心にコメントをくれる方が現れた。程なくしてTwitterでも相互になった。

毎回コメントをくれる人

想像地図の人が新しい動画を投稿するたびに、その人は感想やコメントをくれた。それはまさしく想像地図の人の「泣き所」を突いたものばかりだった。動画作りの中で工夫した部分や苦労した部分にも、すぐに気付いてくれた。
想像地図の人は、この人を好きになってしまった。
(以下、本文中では「間中さん」という仮名で呼ぶことにします)

告白する勇気はなかった

それ以降も、想像地図の人が新しい動画を公開すると、間中さんは毎回コメントをくれた。だから、間中さんの反応が楽しみで動画を作っていた。
特に2016年後半は、間中さんのことが好きすぎて、「間中さんの為に動画を作っている」と言っても過言ではないほどだった。
ところが、間中さんはTwitterで「Twitter上に好きな人が居る」と呟いていた。好きな人が居るなら、想像地図の人が出る幕はない。そう思いながらも、それでも想像地図の人が新しく動画を公開すれば、真っ先に感想をくれる間中さんのことがあまりにも好きで、動画を作り続けた。

叶わぬ片思いかもしれないが、自分の動画を見て気に入ってくれるなら…。

突然やってきた緊急事態

年が変わり、2017年。2016年と同じように、動画を作り続けていた。順調に動画製作に取り組んでいたとき、運命の日がやってきた。

2017年1月16日

いつも通りに会社から帰宅後、YouTubeチャンネルに新しいコメントが来ていないか確認しようとした。前日に新しい動画を公開していたから、もしかしたら新しくコメントが来ているかもしれない。そう思ってYouTubeを開いたとき。

ログインできない…

何度試してもログインできない。どうやら、想像地図の人のYouTubeのチャンネルが、凍結されたようだった。理由は分からない。著作権の問題なら、事前に警告が来るはず。しかし、そういった事前警告なしに、いきなり凍結され、ログインも動画投稿もできなくなり、それまでに公開していた動画も、全て閲覧できなくなってしまった。
もしかすると、動画右下にある日本地図が、東日本大震災の津波警報を連想させるのがマズかったかもしれない、という意見もあったが、結局のところ凍結の理由は分からなかった。

幸いにして、ニコニコ動画の方は問題なかった。今までの動画は全て基本的にニコニコ動画とYouTubeの両方で公開していたため、かろうじてニコニコ動画では閲覧と投稿が可能な状態であった。

動画製作への意欲を失った

この一件で、想像地図の人は動画投稿への意欲を失ってしまった。
先述したとおり、ニコニコ動画のみであれば活動が可能であったが、ひどく落ち込んでしまい駅名替え歌を作れる精神状態ではなかった。

しかし同時に、「いばらひめ」を「いばらめ(茨目、新潟県の駅名)」に空目するなど、駅名替え歌への思いを断ち切れない状況でもあった。
確かに動画を楽しみにしている人がいる。でも、今の自分は駅名替え歌に取り組める気力がない。一方で、想像地図の人が最も力を入れるべき創作活動は、駅名替え歌ではなく想像地図なのではないか。駅名替え歌に悩み続けて想像地図の創作活動に悪影響が及ぶもまた考え物だ。

どうしたら良いか迷い続けた。自分1人では答えにたどり着けなかった。
アンケートを採ったり、Facebookでも意見を募集したりした。
やめないで欲しいというコメントが圧倒的だった。
Facebookには、† 圧 倒 的 情 熱 † で「やめないで欲しい」と真っ先にコメントしてくれた人も居た。

そんな時、エゴサーチした

想像地図の人の駅名替え歌をみんなはどう思っているのだろう。アンケートに来た意見だけではなく、みんなの本音も知りたかった。
それで、エゴサーチした。

○○さんの動画が好きなのに、やめるなんてもったいない

※「○○」は想像地図の人の本名

想像地図の人がずっと片思いしている、間中さんの別アカウントとみられるアカウントを見つけてしまった。

え、なんで本名を知ってるんですか?

そう。
間中さんは別アカウントで、「○○さん(想像地図の人の本名)の動画が好き」と呟いていたのである。

確かに想像地図の人は、TVに3回、ラジオに1回出演したことがある。しかし、TVに初めて出たのは2018年5月のこと。このとき(2017年)は、まだTVに出演した経験はなかった。にもかかわらず、間中さんは想像地図の人の本名を知っていた。
何で知ってるんですか??

え、なんで誕生日まで知ってるんですか?

間中さんの別アカウントには、このようなつぶやきもあった。

○○さんの動画が好き

○○さんのことが好き

○○さん誕生日おめでとう!

Facebookアカウントがあるから、本名を特定されるだけなら、まだ分かる。しかし、なんで誕生日まで知ってるんですか??

ネットは、かくも恐ろしい

ネットは、かくも恐ろしい。その通りだ。
間中さんは、教えてもいない本名や誕生日を何故か知っている。更に、どうやら想像地図の人の居住地域も、おおむね特定しているようだった[注釈1]。

だがしかし!!

既に述べた通り、想像地図の人は、毎回コメントをくれる間中さんに対して片思いを続けていた。
想像地図の人の一方的な片思いだと思っていた。しかし、向こうもこちらに片思いをしていた。

両片思いだった。

間中さんが呟いていた「Twitter上に好きな人が居る」というその「好きな人」の対象は、想像地図の人だった。

勇気を出してDMを送った

Facebookで †圧倒的情熱† のコメントをくれた人って、ひょっとして間中さんだったのではないか。そう思って、間中さんにTwitterでDMを送ってみた。

ビンゴだった。
そして、一度実際に会ってみようという話になった。

実際に会うことになった日

2017年2月28日、京都駅の中央口で実際に会うことになった。間中さんの都合で、どうしても週末に予定を合わせられないということだったが、もしや想像地図の人の今後の人生を決めるイベントになるかもしれない。このためだけに有休を取った。

「○○さ~ん!」(○○は想像地図の人の本名)

朝の京都駅に想像地図の人の本名がこだまする。
「想地さん」ではなく、本名で呼ばれた。

京都鉄道博物館に2人で行った。当時は、まだ梅小路京都西駅が未開業だったので、京都駅から歩いて行った。
展示を見たり、昼食を食べながら駅名替え歌と想像地図について語ったり。

ちょっと一方的に話しすぎてしまったかもしれない。これだと告白してもダメかなぁ…。そう思いながらも、午後は喫茶店に行ったり、焼肉に行ったりした。最後までこちらから告白する勇気を絞ることができなかった。最後までずっと敬語だったし。

夜が更け、帰らなければならない時間が迫ってきた。途中までは同じ電車に乗ることになるが、1駅先で方向が別になる。ラストチャンスだ。
勇気を絞って間中さんに、こう聞いてみた。

Twitterでつぶやいていらっしゃったことを、どこまで本気で受け取っていいですか?

なんかこう、奥歯にものが挟まったような聞き方しかできなかった。
告白してもいいですか、と単刀直入に聞くこともできなかった。
しかし、それに対しての間中さんの返答は、

好きです

単純明快、4文字の回答。想像地図の人は、「告白していいですか?」のつもりで聞いたが、返ってきた答えは、「告白」だった。
この回答を境に、お互いに本名で呼び合うことになった。
今度はもっと遠くにも行きましょう、と約束したところで、間中さんが降りる駅に到着した。

その後

それから何度かデートを重ねた。
廃止前の三江線にも2人で乗りに行った。
そしてある日、想像地図の人は「そろそろプロポーズしようと思う」と間中さんに予告した。

山梨県の井出駅にて

このnoteの冒頭の画像の井出駅。山中にある無人駅である。勿論、普通列車しか止まらない。
2017年8月12日、2人でそこまで行き、列車を降りて誰も居なくなった駅で間中さんにプロポーズした[注釈2]。

その後、2018年3月20日に入籍した。

結婚後は色々と波瀾万丈だった。謎の腹痛で入院することがあったり、当時勤めていた会社を解雇されたり、再就職活動中に側溝に転落して骨折したり、などなど。
1年近くに亘って冷戦状態になったり、激しくぶつかることもあった。
が、そんな間中さんと一緒に暮らして4年が経過した。

先日(2022年のゴールデンウィーク)は、2人が最後まで行ったことがなかった青森県への旅行を行い、夫婦2人同時に47都道府県全県制覇を成し遂げることができた。

どこかネジが1本抜けた想像地図の人と、想像地図の人よりも5歳年上でしっかり者の間中さん。
「夫らしいこと」は、何もしてあげられなかった。いつも甘えてばかりでごめんなさい。

でも、そんな間中さんのことが大好きだ。これからもどうぞよろしく。

2022/5/15 追記

[注釈1] : 間中さんは想像地図の人の居住地域もおおむね特定しているようだったが、それに関して、「そこまで特定できたのなら、もうあと1歩で住所や電話番号も完全特定できたのではないか?」と間中さんに聞いたことがある。
間中さんの答えは「流石に住所や電話番号まで特定するのは超えてはならない一線だと思った」とのことだった。
いや、本名と誕生日を特定した時点で充分もう一線を超えてますって。

[注釈2] : なぜ井出駅でプロポーズしたのか。それは、想像地図の人が駅名語でプロポーズしたからである。その台詞に「井出」が含まれる。それでも間中さんにはちゃんと伝わった。

2022/5/16 追記

一番大事なことを書き忘れていた。
落ち込んで動画製作の意欲を失っていたときに声をかけてくださったのは、間中さんだ。間中さんがいたから、想像地図の人は駅名替え歌の継続を決めることができたし、今もこうして動画を作り続けている。多種多様な曲で駅名替え歌に挑戦できているのは間違いなく間中さんのおかげだ。
本当に感謝しかない。

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