ファーストサマーウイカ語に関する考察?

東南アジアに「東ティモール」という国がある。東ティモールの「ティモール (Timor)」はインドネシア語で「東」という意味である。
「サハラ砂漠」の「サハラ」もアラビア語で「砂漠」という意味である。
女優の「ファーストサマーウイカ」の芸名の由来も、氏の本名が「堂島 初夏(ういか)」であって、その「初夏」を英語に訳して First Summer にしたことに由来する。
「チゲ鍋」や「メナム川」なども、同様である。

このように、「同じ意味の単語が複数つながってできた単語」というものがある。こういう単語に何かわかりやすい名前があるといいと思ったが、個人的には「ファーストサマーウイカ語」が一番わかりやすいと思って呟いたところ意外に好評(?)だったので、この記事ではその名前で呼ぶことにする。

ファーストサマーウイカ語の定義を考える

「同じ意味の単語が複数結びついてできた単語」といっても、「ファーストサマーウイカ」という芸名のような「意外性・面白さ」を含んでいることが重要だと考えた。例えば、ゴリラの学名は「ゴリラ・ゴリラ」だが、このように「全く同じ単語を複数回繰り返しているもの」は、除外することにする。また、「人々」「重ね重ね」のように、連濁していたとしても単純に繰り返しているだけの「畳語」も、同様に除外する。

次に、類似の意味の漢字による熟語について。例えば、「道路」は「道」も「路」もどちらも road という意味だし、「山岳」は「山」も「岳」もどちらも mountain という意味である。しかし、このような単語はそれこそ山のように沢山ある。そのため、広義のファーストサマーウイカ語であることに異論はないだろうけれど、通常は「大和言葉と外来語(漢語を含む)の複合語」もしくは「外来語Aと外来語Bの複合語」のようなものを、狭義のファーストサマーウイカ語と考えることにする。ただし、多項の場合については後述する。

なお、「リオグランデ川」については、確かに「リオ」は「川」という意味なので、riverを表す語が2回入っているけれど、グランデは「大きな」という意味である。このように、違う意味の語が混ざる場合は、ファーストサマーウイカ語に含めないことにする。「排気ガス」についても同様に除外する。
ちなみに、「リオグランデ川」や「西葛西」のように、同じ意味の語で別の意味の単語をサンドイッチした単語のことは「南ベトナム」という言い方があるらしいけれどそれはまた別の機会で。

多項ファーストサマーウイカ語について

同じ意味の単語が3つ結びついている場合を「3項ファーストサマーウイカ語」とする。
例えば、「京都府」は、「京」も「都」も「府」も capital という意味である。これは全て漢語だが、同じような意味の漢字が3つ以上並ぶ単語は明らかに珍しい。なお、「火炎焱燚(かえんえんいつ)」という四字熟語があり、これは「火の勢いが強いこと」という意味である。fire を表す字が4つ連なっているこの単語は「4項ファーストサマーウイカ語」といえそうだ。

ファーストサマーウイカ語の傾向

性質説明型

「サハラ砂漠」でも「メナム川」でもそうだが、「現地語による固有名詞」に「性質を表す接頭語または接尾語」が付いたものが大半である。「フラダンス」も、ハワイ語で「フラ」は「踊り」という意味である。しかし、「フラ」だけだと、ハワイ語を知らなければそれが踊りだと言うことが伝わらず、分かりやすくするために接頭語をつけたものが定着した、と考えられるだろう。サルサソースやチゲ鍋なども、同様の理由であると考えられる。

区分型

「東ティモール」の場合、「ティモール島」(敢えて日本語に訳せば「東島」)という島の東半分にできた国であることに由来している。よく考えてみると東京にも「東あずま」という名前の駅がある。この場合は「あずま」は「吾嬬」だから「東」と書くわけではないため、厳密にはファーストサマーウイカ語には当てはまらないのではないかという意見もあったが、「あずま」という地域の東にある駅だからその名前になった、という意味では東ティモールに似ている。

なお、Enpediaの「ファーストサマーウイカ語」の記事の内容と被っているのではないか、と思われた方もいらっしゃるかもしれないが、あちらの記事を書いたのもわたし。他にも知っている単語があったら是非加筆してほしいと思う。


トウモロコシについて考えていたら…

トウモロコシは「唐(中国)」からやってきたモロコシという語源である。もちろん、「モロコシ」は穀物の名前だが、元を辿ると「モロコシ」という単語自体が「中国」という意味である。英語で普通名詞の china は陶器という意味だけれど、日本語だと食べ物の名前になるのか、などと考えていたら、驚くべきことにこのツイートをファーストサマーウイカ氏本人にいいねされてしまった。

というわけで本人にも認識されたようなので、こういう類の単語のことをファーストサマーウイカ語と皆様も呼んでいただけると嬉しいな、と書いて今回は筆を置くこととする。

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