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板尾さんと今田さんと千原ジュニアさんを笑わせた話


今から数年前までNHKで夜に放送されていた『ケータイ大喜利』という番組で、素人ながらに大笑いしてもらったことがある。

ケータイ大喜利は生放送で、出されたお題に対して視聴者が投稿を行う今田耕司さん司会の番組。

視聴者から送られた答えは一度スタッフが選び、それが千原ジュニアさんが見るノートパソコンに送られ、さらに千原ジュニアさんがその中から選んだ答えを読み上げるという狭き門。

読み上げられた答えがウケるかウケないかもあるが、審査をするのは板尾創路さん。
板尾さんの独断による評価システムで高評価を貰えないと段位が上がらない荊道。

しかし生放送で自分の大喜利を御三方に読んでもらえるというのが楽しくて投稿をするのだが、なかなか読んではもらえず狭き門に弾かれる。

大喜利というのは難しい。

でもどうしても読まれてみたくて色々と大喜利のコツについて調べてみた結果、
どうやらただ思いついた面白そうな言葉をそのまま答えにするだけでは足らないらしい。

ネタの内容や状況に対してまさかと思わせるギャップのある答えにしたり、
場面を上手く連想させたり、
文字数も無駄に長すぎるといけなかったり、
それでいて説明せずとも伝わらないといけなかったりするようだ。
調べてみてヒントをもらえたような余計に難しくなったような。

とりあえずその調べてみたコツを携え、その日の夜も生放送を見るべくテレビの前に陣取る。
いつもの自分ではない。今宵は大喜利のコツを持ってきておる。強力な武器を持って戦いに挑む気分でケータイを開く。

時間通りに始まる番組。今田さんの司会進行でオープニングトークとゲストの河北麻友子さんとユージさんの紹介も終わり、毎回3つのお題がある中の1つ目のお題がやってきた。

『プロ野球チーム。優勝後のビールかけが盛り上がりません。その理由とは?』
というお題。
投稿受付開始とともに、スタッフさんたちが忙しくパソコンを見始める。一瞬で多くの答えが次々と投稿されているのか、10人以上はいる担当スタッフさん全員がものすごく忙しそうだ。
選ばれた投稿が千原ジュニアさんのパソコンに送られ、そこからさらに厳選された投稿が生放送で読みあげられ、笑いと共に板尾さんの採点が行われていく。

今この瞬間に同じタイミングで大喜利に参加している人たちが全国にたくさんいるんだと思うと、なんだか知らない人たちと繋がっているようでほっこりした。
いや、ほっこりしている場合ではない。

負けじと大喜利の答えを考える。
なかなか難しいが、調べたコツを駆使してみる。
どうであればビールかけが盛り上がらないか、ギャップのある答えを探す。

考えついた答えが、
『チームのベテラン選手の服にブラジャーが透けている』
というもの。
自分でもちょっと面白いのではないかと思い投稿ボタンを押してみる。

その間も次々と読まれていく全国の人たちの投稿。せまる制限時間。最後の最後、次でこのお題は終わりですというときに千原ジュニアさんがニヤリと笑った。

パソコンに顔を近づけて顔を上げ、スタッフさんの方を見ながらもう一度ニヤリと笑った後に、
「ルーキーの、広島県、肩コリさんの投稿です」
と紹介する。
自分のことだ!今から自分の投稿が読み上げられることに興奮してしまう。

読み上げられる『チームのベテラン選手の服にブラジャーが透けている』という答え。
途端に大爆笑する御三方とゲストの河北麻友子さんとユージさん。
さらにはスタッフさんの方からも大爆笑の声が聞こえ鳴り止まない。
生放送なのに少しの間止まる進行。

「も〜!外しとけや〜!」
「ほんでまたそんなキャラちゃうねんやろ?」
「そうなんですよ!絶対真面目なキャラ!」
「酔ってるから気付くの明日の朝やな!」
と、話が広がっていく。

板尾さんの採点は、「これは良いですね!」と最高評価。
評価の後も、
「いや〜、最後にどえらいのきましたね!」
「気の利く後輩がジャンバーとか持ってきてな!」
「お疲れ〜っす!って」
「やめろ!下濡れてから上着ても寒い!」
「ハハハハ!」
というように、終わった後も自分の投稿をきっかけとしたトークが広がっていく。

夢じゃないかと思えるほど素人の自分が大爆笑のきっかけを作ったことが信じられなかった。

しかしながらこれはあくまでも素人の自分がめちゃくちゃに振ったバットが偶然にも上手く当たってたまたま出たホームラン。
その後は泣かず飛ばずで投稿が採用されることもなく、ケータイ大喜利は最終回を終えて番組は終了した。

今でも本当にあった出来事なのかとさえ疑ってしまうほど。

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