見出し画像

退職の報告:世界一周旅行記 vol.3

世界一周旅行をするので仕事を辞めます、
と職場に伝えるのには勇気がいた。

周囲にそんな理由で仕事を辞める人はいないし、
「いい歳した大人が何を言い出したんだ?」
と言われるのは容易に想像できた。

「学生じゃあるましいし」とか
「老後に行けばいいんじゃない?」というのが
世間的にまともな反応だろう。

それに自分自身が長期間の海外生活に
対応できるのかも不安だった。

英語を話すことはできても
海外の人と無難に会話できるほどでは無いし、
病気になったり、事件に遭うかもしれない。

実現可能かも分からない世界一周旅行のために
仕事を辞める度胸が無かった。

ただ、この機会を逃すと世界一周旅行には
当分行けなくなるという確信もしていた。

仕事に加え家庭ができたら更に時間に追われるし
年齢も経つほど雇用の幅も狭まるだろう。

それに予期せず海外に行けなくなる可能性がある事も
コロナウイルス感染症のパンデミックで
思い知らされた。
(本当は仕事の区切り的に数年前に行きたかった)

このように行きたい気持ちと不安で葛藤していたが
粗削りなもののルートプランを作ったことで
自分の中で世界一周旅行に行けるのでは?という
僅かな現実味が出てきた。

そして、この高揚感が冷めないうちに
仕事を辞める旨を思い切って
上司に伝えることにした。

職場の反応は予想通りのものだったが、
割とすんなり了承してもらえ、
退職に関する事務的な手続きなどの説明があり、
その後も滞りなく事が進んでいった。

自分から辞めると伝えておいてなんだが、
入職の時には試験や面接など色々あるのに
仕事を辞めるのはこんなにも簡単なのかと
拍子抜けしてしまった。

これで後戻りはできない。
「世界一周旅行に行くんだ」と腹に括った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?