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漫画万歳!(24)~7 SEEDS~

マザーブレイン社の月報に投稿した記事を紹介していきます。2019年4月からスタートしたシリーズを多少の修正を加えて掲載します。取り上げているのは原則として完結した漫画です。気ままな個人的な感想ですので、ご意見は大歓迎ですが、あまり真剣なご批判は、泣きたくなるのでご容赦願います。

MOTHER BRAIN MONTHLY REPORT
(2021年3月号)

Twitterを見ていたら「望郷太郎」という漫画が紹介されていました。あまりに絶賛なので試し読みをちらっと読んだら、金持ちエリートボンボン舞鶴太郎が大寒波を逃れるための人口冬眠から目覚めたら500年後だったという話でした。連載中なのでここでは詳しく書きませんが、この設定を見たら田村由美の「7 SEEDS」を思い出して、たまらなく読み返したくなりました。

2001年11月号から「別冊少女コミック」、その後「月刊フラワーズ」に移籍して、2017年7月に完結全36巻(外伝含む)の漫画です。平成18年度(第52回)小学館漫画賞少女向け部門受賞し、2020年9月時点で電子版を含めた累計発行部数は650万部を突破しています。

近未来の巨大隕石が地球に衝突した後に生き残った人類の話で、よくありそうな設定か~と思ったら、そんな簡単なものではありませんでした。未来を託されたのは「7SEEDS」計画で選抜された若者7人とリーダーの5チーム。壊滅的な打撃を受けた自然界の中での暮らしはどこまでも過酷で、チーム内の人間関係、チーム同士の関係がシリアス過ぎて胸が痛くなります。少女漫画っぽい恋愛話も盛り込まれているのに、吐き気を催すようなシーンもあり、ストーリーが全然少女漫画っぽくない!  

作者の田村由美みたいな人を天才というのだなあと思います。強い女性が活躍する文明崩壊後の日本を舞台にした「BASARA」もハラハラドキドキもので、それがこの作者の得意分野なのかと思ったら、それだけで判断してはダメでした。現在は、「猫mix幻奇譚とらじ」というかわいくてキュンキュンとなる物語(でも戦闘シーン満載)と、かなり異色な漫画「ミステリと言う勿れ」などを連載、この人の頭の中をのぞいてみたくなる複雑な話なのですが、決して話がとっちらかることなくきっちり伏線は回収してわかりやすくまとめています。

Twitterに「7SEEDS」読んでると載せたら、男性からの反応も多くてうれしかったです。ぜひご一読ください。


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