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親・指導者に知ってほしい。子供に絶対教えたい寓話『蛙と登山』


1.はじめに

寓話とは?

 寓話は、何千年もの間、世代から世代へと伝えられてきた特別な物語の形式です。これらの物語の中心には、動物、植物、無生物、あるいは神話的なキャラクターが登場し、人間の社会や行動をアレゴリーとして表現しています。一見するとシンプルなストーリーに見えるかもしれませんが、その背後には深い教訓や人生の智慧、社会の風刺が隠されています。

 古代ギリシャのエソップ寓話やインドのパンチャタントラ、そして日本昔ばなしなど、寓話は各文化の中で独自の形を持って発展してきました。これらの物語は、道徳や倫理を伝える手段として、また大人が自己反省や社会の状況を考察するためのツールとして利用されてきました。

なぜ育児に寓話を取り入れるのか?

 子供たちは、自らの周りの世界を理解するために物語を利用します。
 物語は、子供たちに複雑な感情や考え方、人間関係の微妙さを解釈する手助けをします。寓話はその中でも特に教育的な価値があり、子供たちに重要な価値観や概念を教えるのに役立ちます。

 寓話の中のキャラクターたちの冒険や選択、結果としての教訓は、子供たちが日常生活で直面するさまざまな問題やジレンマについての洞察を与えてくれます。
 親として、寓話を子供たちに読み聞かせることで、子供の想像力を刺激し、彼らの道徳的・倫理的意識を育てる手助けをすることができるのです。

 この『蛙と登山』という寓話を知ったのは、陸上選手の為末大選手のyoutubeでした。その際は、以下説明する物語と少し内容が異なりましたが、教訓は同じモノです。
 そこでハッとさせられた私は、そ日以来、調べ直し、その日以来、自らの教訓としています。絶対に子供に伝えたい一作品です

 この記事を読み終える頃には、この物語に限らず、育児の中での寓話の役割や、子供たちとの関わり方に新しい視点を持つことができるでしょう。


2. 『蛙と登山』の物語内容


 ある日、緑豊かな森の中で、蛙たちが大きな話題で盛り上がっていました。森の中には、とても高い山があって、その頂上には誰も行ったことがなかったのです。そして、蛙たちはその山の頂上を目指して競争をすることになりました。

「無理だよ!」
「そんな高い山、誰も登れないよ!」
多くの蛙たちは、山登りをあきらめて、挑戦する蛙たちを笑っていました。だけど、勇気を持って挑戦する蛙たちは、一歩一歩と山を登っていきました。

 でも、途中でたくさんの蛙たちがくじけてしまいました。それは、高い山や滑りやすい岩だけが理由ではありませんでした。山の下から、「もう無理だよ!」という声が聞こえてきて、元気をなくしてしまったからです。

 しかし、一匹の蛙だけが、どんどんと先を進んでいきました。そして、ついにその蛙は山の頂上に到達しました!山の下から見上げると、その蛙が頂上で勝利のダンスをしている姿が見えました。

 他の蛙たちは驚き、「どうしてあんなに元気に登れたの?」と質問しました。すると、その蛙は「何?」とだけ言いました。
 他の蛙たちはもう一度「どうして登り切れたの?」と聞きました。
また、その蛙は「何?何?」とだけ言いました。

 実はこの蛙は、耳が聞こえなかったのです。
 そのため、否定的な意見は聞かずに挑戦することができました。

 この物語は、他の人の言うことに振り回されず、自分の夢を信じて頑張ることの大切さを教えてくれます。大事なのは、自分の心を強く持ち続けること。そして、夢に向かって一歩一歩進んでいく勇気です。


3. 育児における『蛙と登山』の教訓

他人の意見にとらわれず、子供の個性を尊重する

 『蛙と登山』の物語は、多くの蛙たちの中で自分の信じる道を進む一匹の蛙の勇気を描いています。この物語から、我々親が学ぶべきは、子供の個性や考えを尊重し、他人の意見や一般的な「常識」に流されずに、子供たちの夢や希望をサポートすることの重要性です。
 時には、我々の価値観や期待と異なる道を選ぶ子供たちを理解し、彼らの背中を押してあげることが求められます。

ポジティブな環境を作り出す

 物語の中の蛙が、他の蛙たちの否定的な声に影響されずに山を登り切ったのは、彼の耳が遠かったからでした。これは、ポジティブな環境と、ネガティブな要素からの適切な距離感の大切さを示しています。
 子供たちが自分の能力を信じて挑戦し続けるためには、ポジティブな言葉や行動で彼らを支え、安心感を与えてあげることが不可欠です。また、批判や否定的な言葉が飛び交う環境から子供たちを守り、彼らにとっての安全な場を提供することも大切です。

困難に直面してもあきらめない大切さを伝える

 物語の中で、数々の困難に直面しながらも蛙が山の頂上を目指し続けた姿は、失敗や逆境を乗り越えて前進することの大切さを示しています。
 子供たちは人生の中で様々な困難に直面しますが、それらの困難を乗り越える経験が彼らの成長を促します。親としては、困難な時期や失敗を経験したときに子供を叱るのではなく、それを乗り越えるためのサポートやアドバイスを提供し、子供たちが自らの力で困難を乗り越えることの重要性と価値を理解させることが重要です。


4. まとめ

 『蛙と登山』の物語は、心を打つ深い教えを持っています。外部からの疑問の声や否定の風に煽られても、自分の信じる道を進むことの真実の価値を、蛙の旅を通じて我々に伝えてくれます。
 私たち親にとって、心からの願いは、子供たちが自分の夢を追い求める勇気を持ち、逆境の中でもその夢を守り続ける力を育むことでしょう。この感動的な物語を通じて、子供たちに夢を追い続ける勇気や、困難な状況でも決してあきらめない心の強さを教えることができます。
 また、この物語は、親自身にとっても大きな教訓を残しています。子供たちの小さな声、その繊細な心を深く理解し、優しく支え、そして励まし続けることの大切さを、再認識させてくれるのです。
 最後に、『蛙と登山』は、自己の信念を信じることの美しさを描いています。それは、我々が日々の生活の中で直面する数々の挑戦や困難に対して、真の勇気で立ち向かう手助けとなるでしょう。
 物語の中の一匹の蛙のように、私たちもまた、自分の信じる道を進む勇気を持ち続けることで、真の幸せを見つけ出すことができるのです。


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