「Bling-Bang-Bang-Born」を聞いたらCreepy Nutsへの気持ちが爆発しちゃった。解釈バトルにもアーティストとしての勝負にも勝つ曲
Creepy Nutsの曲が海外で大流行しているだって?!?!
しかもそれが、『マッシュル』のOP曲というのだからより驚いた。海外にも人気が出そうな原作であるし、2期が制作されるということはアニメとしても沢山のファンが居るんだろうが、どうやらアニメよりも曲が先行しているよう。
よくある海外の反応、といったブームだけではなく、今では流行の最先端を知るSNSとなったTikTok内で、かなりのブームになっているらしい。その曲が「Bling-Bang-Bang-Born」だ。
僕より詳しい方が楽曲解説などたくさん出しているので、多くは語れないが、有名な海外アーティストの曲で流行したリズムを取り入れながら(日本語ラップでもめっちゃ流行った曲がそうだった土砂降り)、派手でノリノリなトラックに、「Bling-Bang-Bang-Born」といった聞き心地の良いフレーズと、Rらしいリリックが畳み掛けてくる。今日はずっとこれを聞いていた。
こんなに大流行していると自分で聞きにいかなくても、曲の断片がそこらで聞こえてきて、頭から離れなくなってしまったので、流行りなんてよ!と思っている心を捨てて、今日はずっと聞いている。
そして、R氏!すまないでござるよ!と土下座しつつ、R氏及びCreepy Nutsは僕らの世代、ナードなヒップホップ好きのスターなんだなと勝手に実感して涙が出るほど嬉しい。
中高生の頃はバトルで、大学生の頃はラジオでR氏やCreepy Nutsには凄くお世話になっていてずっと大好きだったけど、「かつて天才だった俺たちへ」以降からラジオも曲もあまり聞かなくなってしまっていた。
とはいえ『よふかしのうた』とのタイアップ「堕天」は結構好きだったし、客演やUCのR‐指定は本当にかっこいいので、「客演だけは良いんだよな」とかサムいファンになっていた。
タレントになっちまったとか、ヒップホップじゃないみたいな評価にそれは違くないか?と思いつつ、聞かなくなってしまっていたのも事実。『よふかしのうた』の際のインタビューにて「もう書きたいことはほとんど曲にした」との文言もあってそりゃそうだ、となった。
それでもラジオを卒業すると聞いた時は、逆に嬉しくて、今までラジオ等に当てていた何かを曲にしたり、ネットでしこたま言われた悪口に反撃開始!となるかも!と勝手に期待した。
熱心に追っていたファンには申し訳ないが、その後の話題になった活動が『るろうに剣心』『マッシュル』とのタイアップだったので、グループとしてそういう路線に行くのか!頑張れ! と思っていた矢先このブーム。
試しに聞いてみると曲は超イケていた。もちろん上でちょっと触れたトレンドのトラックもそうだし、とにかく歌詞が凄い。
昨今のタイアップ曲の大きな評価軸は「解釈」。
歌詞やMV、振り付け等のビジュアルにどれだけ作品のテーマや伏線などの要素を入れることができるのか。時にはその一点だけで評価されている曲もある。『KICK BACK』や『ちゅ、多様性』のように作品から離れてもミームになるようなタイアップ曲を生み出すのは難しい。
解釈バトル、アーティストとしてかっこいい曲が作れるかどうかの勝負、どちらにも勝利しないと行けないから。
でも、今回の「Bling-Bang-Bang-Born」は勝っていると思う。僕が『マッシュル』について基本的な事しか知らないので早速破綻してしまっているけど、マッシュルの主人公であるマッシュのこと、作品の世界観を追いつつ、ラッパー・アーティストとしてのR‐指定やCreepy Nutsのこともしっかり書いていて最高だ。
『マッシュル』とCreepy Nutsの噛み合わせが良いのはもちろん、Creepy Nutsはふたりとも王者なので、「俺はトップだから何も効きません」というふてぶてしいリリックに誰も口を挟むことが許されない。その自分たちを体現したかのような詩がCreepy Nutsの一番かっこいいところで、僕の大好きなところだから、またそういう曲が聞けて凄く嬉しかった。
やっぱりふたりは僕にとってのスターなんだな!と勝手に見直して、勝手に幸せになっている。
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