Z世代、恥を知る?

七夕に東京都知事選が行われ、現職である小池百合子氏が3期目突入を決めました。

本当に残念なことに、ギリギリのタイミングで投票権がなくなって(引っ越した)しまったので、今回は都知事選に有権者として参加することができなかったが、大変興味深く都知事選を追ってました。

事実と保険のために書いておきますが、私自身は世間で言うところのゴリゴリの若者・Z世代であり、ここ数年友人のすすめで選挙・政治に興味を持つまでは、特段勉強することはなかったし、現在でも知識は乏しいです。それでも、こうやって何か書き残したくなるほど、おもしろい選挙戦だったし、必要なことだと思いました。

民放等であまり有権者たちの声を聞くことができない中(ラジオ番組等では有権者の声を知らせてくれるものもあった)、Xを中心としたSNS空間で、候補者の評判や他の都民の意識をチェックしていました。

選挙後の現在では、エコーチェンバー、フィルターバブル、ポピュリズム、ネット時代の地上戦など、様々な言葉を用いて、選挙の今について言及する声が多く見られます。

今回に気になっていたのが、開票前からSNSで良く見かけた「人格は肯定できないが、実績を見るに〇〇に投票をせざるを得ない」という言説。

これは複数の候補者に向けて使用されており、個人的にはよく理解ができません。なので、この意識で投票をする人がどのくらいいるか、そしてその方向性で支持されているっぽい候補者の結果がどうなるのか、という点で注目しました。

結果、当選とはいかなかったものの、どの候補も十分な票を集めていた印象です。

しかし、上記のような成果、能力主義風のものの見方は少数で、「見たいものを見て、信じたいものを信じる」という感覚の一部だったかと思います。ある人はその人の演出された姿や、ネット上での振る舞いから自身に響いたところを評価し、ある人は成果や実績を尊重する、的な。

特に、人格に問題があるのでは?と言われる候補者が、若者世代から多くの支持を得たことが話題を呼び、問題視されていますね。

若者たちの物差しについて言及する声もあれば、長らくそのような態度を取るものたちを跋扈させてきた上の世代に責任があるという声もあがっている。

ここで書いておきたいのが、そういう確証バイアス的なものの見方から一緒に脱却しねぇ?ということです。(ついでに、推し活みたいなもののカタチも変わって欲しい)

ほんの最近、暴露おじさんが議員になった前例もあるのに、今回の結果で「衆愚政治始まった!」「投票率があがってもバカ(若者)が参入してくるだけ」みたいに言われて、私達のせいにされるのは癪でしょう。

今回の都知事選で、選挙がいかにエキサイティングで、自分たちのためになるのか体感できたと思うので、次はもう少し対立候補について調べてみるとか、過去の実績や不祥事がないかチェックするとか、討論会やその人のホームグラウンド外での振る舞いは信頼できるのかなどなど、当人が語るビジョンや政策と共に、もう一歩だけ踏み込んでみてから投票するなり、声を挙げるなりしたい。正解の候補者を選べるように、ではなくです。対話のためです。

こういうところが推せるので応援したい!という姿勢はめちゃくちゃ良いと思うので、そこまでの過程をより納得できるものにしたい。

なんであんなやつに投票を……となった場合、自分の見えている景色と相手の景色を理解した上で、自分の主張をし上手に対話ができれば(相手が全く通じなかったらダメだけど……)少なくとも、互いの意見や気持ちを攻撃しあう地獄絵図はどうにか避けられるんじゃないかと思います。

選挙のあり方であったり、候補者たちの倫理観や戦略を変えることは難しいかもしれないですが、有権者としてのあり方を少し変えることができれば自ずと何か変わっていくこともあるかと、まだ希望を持っています。

私ももちろんまだまだできていないこと、知らないことばかりなので、自戒として書いています。

自分の意見と異なるもの、異なる候補の支持者に対しての誹謗中傷、見下し、冷笑が目立ちすぎています(こちらは年代問わずですが)。ネット空間での議論はハイパー難易度になっていますが、誹謗中傷でなくせめて対話ができるようにしたいです。

説得でも喧嘩でも論破でもなくて対話ができたらと思います。それができるように、やっぱり常に勉強したいという気持ちです。

実際、周囲の方に都知事選のことを尋ねてみると、自分と異なる意見がたくさんありました。それでその方を嫌いになることはないですし、むしろ「おもしれーじゃん、社会ってやつは」とより関心を持ちました。

これからも選挙がたくさんあります。次の選挙をよりおもしろがれるように、勉強したいというのが今の思いです。政治に限らず、哲学や文学など、めんどくさがらずに勉強したいですね。



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