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マトリックス レザレクションズ 雑感

公開直後に観たかったが、遅れて19日に観ました。全く前情報をいれずに、3作品を復習して臨んだ。見返すことで色々気づくことも多かったがそれはまた別の機会に書こうと思う。賛否両論多いようだけど、個人的にはこれが観たかったんだ!ってものが観れたので大満足でした。

多くの人にとって思い入れの強い作品で、それぞれの好きな部分、マトリクスに求めているものによって感想が変わってくと感じた。それまでの三作品は、その後のすべてのポップカルチャーになんらかの影響を与え、それ以降を変えたと言っても過言ではない作品であるし、革新、革命といった言葉が最も似合う作品だったのではないかと思う。

ただ悲しいことに革新や革命を同じように再現しては、新たな革新は起こせない。すべての革新は陳腐化してしまう。iPhoneの新作にそれほど感動しなくなったし、映画のアクション表現は進化を続け目新しい表現技法も減ってきた。それは成熟したとも言えるのかもしれない。それらをひっくり返すことを望んでいた人にとっては退屈な映画だったかもしれない。

また、"現実"の世界もマトリクスの世界に追いついてきた。仮想現実や情報に人間が支配される世界観がすんなり受け入れられる世の中になったように思う。意識まではプラグインをしていないが、電車に乗っているときに他の乗客をみるとほぼすべての乗客がスマホをいじっている光景が珍しくなくなった。オフラインでいることが難しくなった現代で、マトリクスはどんな"現実"を描くのか、現代のマトリクスはどんなものかとても興味があって、とても楽しみだった。

観た直後のメモ

考察というよりは、個人的に楽しめたポイントをあげていこうと思う。
ネタバレはここでは極力避けます。感想を言うから多少のネタバレは含むと思います。

以下、劇中のラテが美味しそうで、ブルーボトルズコーヒーで勢いよく書いた観た直後の感想です。

個人的な映画という点において、観てまず思い出したことは、シン・エヴァンゲリオンだった。
あれがエヴァンゲリオンにさよならを言う映画だったのに対して、今回のマトリックス レザレクションズは、マトリックスを自分のものとして取り戻す映画だったように感じた。

構造的には、スター・ウォーズ/フォースの覚醒を思い出した人も多かったと思う。(感じた感想は全く逆だけど) 一作目をなぞる構造で、初めと終わり方を揃えてきたところに痺れた。
話を変えていく存在の入れ方も良かった。エヴァで言うなら真希波マリで、今回のマトリックスでは、バッグスがその役割を担っていたがそれがまた良かった。バッグス・バニーから来てるのかな?

そして、1番の謎だった、モーフィアススミスについては、個人的には納得というかとても楽しめた。どちらも"マトリックス的"で自然な理由で、新旧どちらも好きでいられるように作られていて最高でした。

印象的な、"At last" と "Mr. Anderson"と叫ぶところはテンションがあがった。

Nothing Comforts Anxiety Like A Little Nostalgia

これは観客にも言っているなって感じた。確かに安心させらる。

シン・エヴァンゲリオンでも、自己言及的な、過去の映像を交えたシーンがあったりしたが、アニメと実写の違いである俳優の時間経過が味が出ていて良かった。特にトリニティが良かった。

前半のセルフパロディというか、過去3作品の言及の仕方は個人的にはとても好物で、ずっとニヤニヤしながら観られた有名なシーンだけではなく、細かい引用も多く、スミスの部屋に殴られたフィギュアがあったのには笑った。ここが楽しめないと辛いのかもしれない。現実にしか思えない夢をいやそれはゲームだよ精神異常だよって思わせてしまう仕組みはさすがだと思った。前半パートを観ている時は、これまでのストーリーがただの妄想として片付けられる不安を感じさせる構造でもあった。夢オチなんて最悪だ。


バレッドタイムの新解釈も楽しかった。散々パロディされたバレッドタイムをおちょくる演出もとても良かった。ドヤ顔で今更バレッドタイムをやっても寒いのかなとも感じていたので、アナリストのキャラクター含め、感情を煽る、利用する設計層も現代の世の中を描いていてとてもよかった。

ビルから飛び降りるシーンや明るい温かみのある映像も、仮想現実の中のリアルを前回は表現してたのに対して、リアルの中の非現実を描いているように感じられてよかった。ゲームの進化に呼応してるように感じた。優しい映像がアップデートされたマトリックス世界を感じさせた。

今回のマトリックスをみて、救世主はトリニティでもあったと再解釈できた、resurrectionが複数形であった必然性があったんだなって思った。


そして、エンディング。Rage Against The Machine の Wake Upキターーー!!でテンション上がった。これはセットだと思ってたし、すごくうまい演出だった。誰がカバーしているんだろう?

エンドロール観てたらcovid compliance officerって役職が合って時代だなって思った。そう言えば新幹線のシーンでマスクしてたような。


まとめ

僕は、哲学的な世界観とか、攻めた作品、クールな世界観、複雑な設定とかが大好きだが、最後は愛でどうにか片付いてしまう話が好きだ。複雑な世の中で、シンプルな答え。そういう作品が好きなんだなと再確認できる映画だったまとめると思う。エンドロールのなかでも、"ママとパパへすべては愛からはじまる"と監督のメッセージにあったように、熟考の結果がそうであるようなものが1番好きだ。

今日がnoteのマトリックスキャンペーンの期日だったようなので、終わった後に書いたメモを公開しようと思いました。その後、前作を観たり、インタビューを読んだり、他の感想を読んだり、終わった後がより楽しい。それもいい映画、物語の条件かなとか思いながら過ごしていました。スパイダーマンの話題が溢れる中、マトリックス熱が冷めないでいます。

メロビンジアンが言ったように、スピンオフも観たいし、この続きだって作ってくれるならぜひ観たい!個人的には、これまでのマトリックスの失敗とアップデート内容や前任の救世主とかを考えると面白そうだなとか思います。

急ぎ足でバラバラな感想になってしまったので、次は文脈にのったマトリックスや他の作品などを絡めて深掘りした内容を書きたいです。










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