第二十話「元○○な観音」

准胝観音(じゅんてい)

真言宗の人間道担当は准胝観音(じゅんてい)
その姿は顔が一つに腕が18本あります。
腕が多いことから千手観音と間違いそうになりますので、
気をつけてくださいね。

別名、七倶胝仏母(しちぐていぶつも)もしくは准胝仏母(じゅんていぶつも)などと呼ばれています。
七倶胝というのは無限大という意味があります。
そこに仏の母と書いて、七倶胝仏母

つまり数え切れないほど沢山の仏のお母さんということです
仏像界の大家族スペシャル、次元を超えるほどの仏マザーとよべますね。
それもあって安産、子授けの功徳があるとされています。

それにしても観音様は修行中の釈迦がモデルですから、
ずっと男だと思っていました、
だけど仏のお母さん、なんだ意外な一面を知ることが出来ましたね。

そんな仏マザーですがその昔、インドではDurga(ドゥルガー)と呼ばれていました。
ドゥルガーというのはヒンドゥー教では破壊新シヴァの妻であり戦いの女神でもあります。

こんな話があります。

その昔、魔族の王マヒシャが魔王軍を率いて天界を攻め、神々を追放しました。
負けた悲しさと抑えきれない怒りのあまり、神々の口から一斉に光線が出ます。
その光線が一箇所に集まった時、光の中から生まれたのがドゥルガーです。
ドゥルガーは魔王軍討伐のために神々から18の武器を受け取り
さらにヒマラヤの神からは乗り物としてトラをプレゼントされました。
トラに乗ったドゥルガーは、およそ数百万ともいわれる魔王軍に単身で突撃します!

ドゥルガー渾身の突撃で中央から真っ二つに割れる魔王軍、神々から授かった武器はそれぞれが一振りで数百の敵をなぎ倒します。トラもたまにライオンになったりもしながら、戦場を駆け抜けます。そして最後に水牛の姿をした魔王マヒシャを見事、討ち取ったそうです。

日本では安産、子授けで頼られる仏マザーも
昔のインドでは、かなりヤンチャだったようですね。

つづく

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