第十五話「千手観音(せんじゅ)」

千手観音
続いて紹介するのは千手観音
腕がいっぱいある観音様と言えばなんとなく思い浮かびますね?

千というのは無量円満という意味。つまりもう完璧!パーフェクト!
全てを見通して全てに力が届く!それが千手観音なのです。
しかも優しいんです。
無限の慈悲の心を持っていることから「大悲観音(だいひかんのん」とも呼ばれています。

他にも、曼荼羅の蓮華部の中で最高の存在であることから
「蓮華王」という名前もあります。
千手観音で有名な三十三間堂の別名「蓮華王院」はここからきています。

まぁしかし
千手、千手とは言っているものの、実際に腕が千本ある仏像はほとんどありません

やはり千本作るのは大変ですからね…
大体の千手観音の腕の数は42本となっています。

2本は胸の前で合掌していてそれ以外の40本が脇から枝のように生えています。
その40本の1本1本がそれぞれ25本分の働きをするので
40×25=1000で千手観音となります。
25というのも適当につけたわけではなくちゃんと意味があります。

仏教では天上界から地獄までに25の世界があると考えられていて、
これを三界二十五有(う)と呼びます
「有頂天」という言葉がありますが、
これは二十五有の頂点にある天上界のことをさしています。

つづく

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