ハードボイルド探偵バネントの日記 vol.3

土曜日 曇り

 人生には様々な転機がある。そいつは突然、事前連絡もなしにやってきて、そのくせやたらと長く人生に居座る。そして次の奴が奇襲をかけてくる。人生は自由だが、そこで出会う奴らは皆身勝手で不作法だ。

 俺の話はいい。というか、今回のことはいつまでも俺に関わり続けるので、わざわざ日記に書くまでもない。今回書くのは夢の話だ。ああ、そうだ。夢の話だ、未来の俺よ。そしてまたあのピンクの羊だ。ふざけやがって。

 とにかく、夢の中でそいつは俺に語りかけてきた。正直スマンと。意味は分からなかった。分からないが、俺もなんとなく謝っておく。色々と申し訳ない。

 何の話だったか。そうだ、羊の話だ。そいつ曰く、土曜の夜に更新していたやたらと女子ばかり出てくる小説の更新は、日曜の夜に変更されるとのことだ。やはりあいつの言動は支離滅裂だ。人に、特にハードボイルドを志す探偵に理解してもらえるように話そうという気概がまるで見られない。ちなみに、一日一文のまとめは土曜に公開するそうだ。何がちなみにだ。さらに、日曜の夜の更新が滞った場合、俺の日記をまた公開するらしい。……今書いてて気づいたが、俺の日記が誰かに公開されていたのか? もしかしてこの日記もか? まあ、それは考え過ぎだろう。

 とにかく、羊は以上の事を日記に書くように告げて去っていた。その後俺は布団から飛び起き、自分の部屋に謎の同居人がいることに気付いて声をあげるというビジョンを経て……いや、あれは夢じゃない? 

 あっ、こら待て。俺の日記を読むんじゃない。いや、この辺の文はお前に読んで欲しくて書いてるが、そうじゃなくて。ペンを取ろうとするんじゃない! 口、口で言えばいいのに俺は何故字を書いている? あっ……

いいえ

 ……まあ、そういうことだ。

(今週のプリンセス・クルセイドの更新は未定です)

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