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中肉中背という言葉の呪縛

【中肉中背】ちゅうにくちゅうぜい
太ってもやせてもいない肉付きで、高くも低くもない背丈。標準的な体型。

デジタル大辞泉 小学館

「中肉中背」
これ、私のことを表現するのに的確な表現だと思います。

ですが、40代も後半に差し掛かった今となって、このイメージが微妙な四字熟語をすんなりと受け入れられるようになりました。

何が微妙って、私的には「中肉」という文字が醸し出すイメージが、何かポジティブじゃない気がするんです。

だったら、「中」「肉」っておでこに書いて…

ラーメンマンとキン肉マンじゃん♡

って謎のポジティブ思考の自分もいるんですが、

「中肉中背」って聞くと「標準体型」というよりは「ポッチャリ体型」みたいな想像をしてしまい、全体的にいい具合にお肉のってますよーって言われてる気がしてしまうのです。

実際にこの言葉で自分を表現された時には、いい気はしませんでした。

それは私が20代の頃に働いていた職場の男性上司(部長)の言葉でした。

と言っても、面と向かって「あなた中肉中背だね!」と言われたわけではありません。

中肉中背という言葉がなぜ話に出てきたのか、その経緯は全く記憶にないのですが、私と同じ部署でちょっと世間知らずの女性社員(20代前半)が勤務中に

「部長!中肉中背ってどんな意味ですかー?」

と、突如質問したのです。

そこで、その部長がみんなに聞こえるような声で

「太っても痩せてもいない人のことで…」

と説明した後に私をチラッと見て、

「〇〇さんみたいな体型の人だな」と言い放ちました。(〇〇には私の苗字)
その世間知らずの女性社員もニヤつきながら部長の言葉を復唱

「〇〇さんみたいな体型が中肉中背なんですねー」

今の私なら
「お前らも中肉中背じゃないかー!なんで私がその代表格なんじゃー」
って思えるのですが、

当時の私、今よりポッチャリしていました。
体重とか体型とか結構気にして生きていました。

周りの人と比べては、「自分は太ってる!」ってずっと思っていたから、余計に、標準体型を表す「中肉中背」という言葉で自分を表現されたことに気まずさを感じました。

部長がオフィスにいる他の人ではなく、あえて女性の私を名指ししてきたところにも何か悪意があるのでは?

「中肉中背」=「私」

私の中で、中肉中背が標準体型ではなく、ポッチャリ体型を指す言葉のイメージになったのはその出来事からかもしれません。

そもそも、体型に関する話題ってセンシティブな問題だと思うのですが、私が今までに働いてきた日本の職場って、セクハラまがいのこととかも普通にズケズケ言ってくるデリカシーのない男性が結構いたな…

歳を重ねたり、慣れることで、そういうことへの許容範囲が広がったり、耐性がつくのも善し悪しで、そこで感じた違和感や不快感は、自分の正直な感覚だから、やはり無視してはいけないと思うんです。

過去の自分、ごめんね。

この記事を書き終えて、中肉中背という言葉の呪縛が解かれただけでなく、自分の感覚に従って素直に生きることが「自分の人生を生きる」上では大切なんだということを改めて思い出しました。


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