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『電車でD ShiningStage』RTAの解説した話と作品の魅力

2023/7/26にESA Summer 2023で走られたRTA「電車でD ShiningStage Any%」に日本語解説を入れて参りました。その時に解説できなかった話やら反省やら、ついでに私が電DSSのRTAを走り始めたきっかけなどを書き記そうと思います。


海外のRTAイベントに日本語解説入れた話

ESA Summer 2023 解説動画@Japanese Restream

 上の動画が解説を入れた配信アーカイブです。
 ESA Summer 2023の様子をJapanese Restreamで日本語解説配信しておりまして、電車でD ShiningStage(以下電DSS)については私が走者の様子を見ながら解説をしていました。
 もしESA本家の動画が見たい場合は以下へどうぞ。コメント欄の反応が日本も海外も大体同じっぽいのが面白いです。

 ここからは解説を入れたアーカイブをベースに補足や感想を入れていきます。

00:00~08:00 ゲーム、走者、解説の紹介

 まず電車でDについては1:30あたりから説明した通りですが大事なので改めて書いておきます。「電車でD」および「電車でD ShiningStage」は同人作品です。同人作品なので元ネタの頭文字Dの公式にもファンにもないしょですよ。分かりやすく書くと以下の通りです。
「頭文字D」→しげの秀一先生作の漫画。原点。車の漫画。電DSSの原作の原作。
「電車でD」→〇急電鉄さん作、頭文字Dが元ネタの同人誌。複線ドリフトの発祥元。電DSSの原作。
「電車でD ShiningStage」→地主一派さん作、電車でDをゲーム化した同人ゲーム。他に4作。たぶんまだ増える
 走者のJugachiさんは電DSS RTAのspeedrun.com(SRC)のモデレーターで、更に電DSS用の自動計測タイマーを作ってくれた方です。圧倒的感謝。タイムを計るのが楽になって本当に助かっています。
 解説は私、ko-hi-です。電DSS Any%のSRC上の世界記録を2023/11現在保持しています。腕前というより運でWR持っております。このゲーム3戦目と4戦目の運の良さでかなりタイムが変わるのです。

08:00~11:40 1戦目

 1戦目、記録を狙うなら池田駅直後のムービーをカットするグリッヂを行います。ただ事前準備とか設定とか色々いります。実は走者さんがこのグリッヂに関する話を4戦目の新高島駅あたりで話されてました。「Okey?」って言われてましたね。OK☆ なお何がどうしてムービースキップできるのかは私にも分かっていません。先駆者のお一人がガチャガチャやってたらできたそうです。なんでやろなぁ。
 さて1戦目頭のムービーを飛ばさないことでRTAイベントとしては利点があります。このムービーを起点に電Dの特徴である漫画のカットインが始まります。そしてBGMで「Sands of Time」が流れます。私はこの曲が大好きです。見た目のインパクトが凄いゲームですがBGMは素敵な曲が揃っていますのでぜひ聞いてみてください。走者さんたちもノリノリです。ただ問題児が4戦目にいるので曲については解説で触れませんでした。

11:40~14:20 2戦目

 もし電DSSがイベントに出るようでしたら2戦目の最後に漫画に合わせて「タクミサイル!」とコメントすると楽しいかもしれません。元ネタ的には「タウミサイル」ですね。時々絵柄が変わってやたら美形になるのも電車でDの面白いところ。

14:20~21:43 3戦目

 スタート直前のカウント中、車体が揺れる演出が楽しい3戦目。
 ここから電DSS Any%の真骨頂、400km/hを軽く超える速度で走り、ついでに派手な事故も沢山起こる走者泣かせの運ゲーゾーン開始です。5戦目だけわりと平和。
 走者さんも3戦目でなかなか派手なアクシデントが起こりました。それなりに良く見る(見たくない)パターンです。自分では同じように走っているつもりでもほんの少しタイミングが違うのかはたまたPCの負荷の影響か、元住吉後の恭子ちゃんは大変気まぐれに動きます。女心と秋の空。元住吉~自由が丘あたりをきれいに通せるかでタイムが数十秒変わるお祈りポイントです。

21:43~30:35 4戦目

 4戦目もRTA的にはタイムが大きくぶれる上に操作が難しい難所でありお祈りポイントです。私は1度だけ延彦戦で驚異のタイムを叩き出したことがあるのですが、未だに再現方法が分かりません。成功したものが私の旧WRの動画になっています。
 4戦目の延彦くんが乗っ取られた後、本ゲームの問題曲が流れます。曲はとてもかっこいいんですがね・・・(何が問題か知りたい方は先駆者のすうけんさんが作ったRTA解説動画をチェック)当然イベントでは曲の入れ替えが行われていましたので流れませんでした。このゲームはBGMの入れ替え機能があって過去作の曲で遊ぶこともできます。SS以外の過去作はサントラがDL販売されているので曲を変えてみるのもまた楽しいかも。

30:35~42:45 5戦目

 走者さんのワイプが楽しそうで大変良い5戦目です。
 5戦目だけはほぼ走者の腕前でタイムが変わります。たまプラーザ駅前で拓海くんのカットシーンが挟まる条件がいまいち分からんというくらい。走者さんの車間距離だと起きるはずなんですけど起こらなかったですしね。なんでやろなぁ。運要素がほぼ無いためRTA中は私の中の坂本さんの株が勝手に上がります。
 5~7戦目は頭文字D同様レインバトルです。走者さんは雨エフェクトをONにして走っていますね。私は負荷を減らすために普段は切っていますが、久しぶりに見ると凄いです。ワイパーもちゃんと動いてるんですよ。
 ここで1点目の反省点、私の頭文字Dニワカが出てしまいました。申し訳ありません。37:35あたりから私が「カウンターアタック」と言っているのは「ブラインドアタック」ですね。完全に拓海くんの発言に引っ張られています。ちなみに電DSSではストーリー中に前照灯を消しても一応見えるくらいの明るさなんですが、1作前のRisingStageのブラインドアタックは大変でした。私は未だにトモさんから電車をもらえてません。
 あと42:37あたりから説明している片輪ドリフトの元ネタ、こちら東堂塾ではなくセブンスターリーフのトオルさんとのバトルが正しいです。完全に東堂塾と一緒くたになっていました。頭文字Dの漫画版があと30巻ほど読めておりませんで、アニメのみだとセブンスターリーフのヒルクライムが飛ばされてトオルさんのすぐ後に東堂塾戦だったので頭の中で合体してました。ついでに東堂塾の酒井さんもカットされるので未だに私の中で淳郎さんと酒井さんは電車の運転手です。早く読もうね。

42:45~50:50 6戦目

 43:45から話している前日譚はゲームではClimaxStage、漫画だと電車でD13または総集編3巻に収録されています。オチのイニDキャンセルが好き。
 6戦目の最大のお祈りは宮前平駅前の前入りです。きれいに前に入れるか、入ったあと渉さんが大人しく後ろから押してくれるかがポイント。ここで数多の自己ベストが潰されてきました。ちゃんと前に入ったと思っても吹っ飛ばしてくることがあるので多分完全にお祈りです。宮前平駅の「甘いぜ!」から始まる台詞は私のお気に入りなんですが(気合いの入った声が好き)、RTA中だけは嫌いです。
 また6戦目は渉さんがゴールまで来る必要がありますが、たまに渉さんが途中でいなくなります。何をすれば確実に最後までついてきてくれるかは未だ不明。そしてゴールの時も最速を狙うならタイミング勝負のグリッヂが必要です。運ゲーを乗り越えた後の運ゲーで、3,4戦目が綺麗に通せていると失敗時の精神ダメージが跳ね上がります。この精神力勝負の相手が渉さんというのがまた何とも。勘弁してください。
 走者さんは、うん、1発でクリアしたね!完璧!次行こう!

50:50~最後 7戦目

 お祈りに次ぐお祈りを超えた最終戦、ここもお祈りが必要です。できればつくし野駅までに渉さんの前に入りたい、でもねじ込むのに失敗すれば記録が消し飛びます。そして最後まで大人しく押してくれるかも多分運です。ただ6戦目よりは安定している気がするのと、あまり距離が長くないのが救い。走者さんはかなり早いタイミングの前入りを成功させました。あそこは下り坂で相手の速度が上がって失敗率が高いので、私はちょっと入る勇気が無いです。お見事でした。
 ワイプの走者さんたち楽しそうですね。ここのBGMは「SUPER SPEED WAY」といいまして、JAM Projectとかお好きな方におすすめです。サビの盛り上がりがとても良い。ただRTA中は曲を聴いてて操作をおろそかにすると渉さんに吹っ飛ばされます。
 最終的に速度計が800km/hを超えるのですが、飛行機(旅客機)って800~900km/hくらいで飛んでるらしいです。F-ZEROまでもうちょっと。
 あとついでに反省2点目、電車ニワカが出ました。53:57からの説明、「島中」ではなく「島式」ホームです。島中はコミケやがな。ふわっとしか知らない用語を使うものではないですね、申し訳ありません。この解説中に間違えずに言えた話は全部事前に調べた内容、または資料が手元にありました。本番中は総集編3巻分を手元に積み上げて話してました。
 最後のバトル終了演出、普通に遊ぶと別の演出になるのですがRTAでは大体梶が谷を通過して南海20000系がテッテレーします。これ梶が谷通過を見越して演出を仕込んでたのでしょうか。漫画の電Dでは起きなかったことを起こすとどうなるかまで考えて作ってあるのとても良いですね。

解説動画への後付け捕捉は以上です。

電車でD ShiningStageの魅力と始めたきっかけ

 電Dの記事を書いたのでついでに、ここからは電車も車もまるで分からない私がどうして電DSSのRTAまで始めたのかと、合わせて原動力になった作品の魅力を紹介します。
 おそらく横道から入ったタイプの人間なので、こんな方面から入る人もいるのか~と思っていただければと思います。

電DSSを手に取ったきっかけ

 まず電Dのゲームを遊ぼうと思った理由はBGMです。曲が気に入ったのです。
 直接のきっかけになったのはRTA in Japanの電車でD ClimaxStageだったと思います。土讃線スペシャルしてたのは覚えてます。一応それを見るより前に電車でDのゲームの存在は知っていました。なんか電車がドリフトするはちゃめちゃなゲームがあるなと。その時もやっぱりめちゃくちゃだなぁと思いながら見ていたのですが、ふとBGMに耳を傾けて思いました。「あれ、曲が良いぞ?」私は趣味でゲーム音楽の演奏をしておりまして、曲が良いゲームは気になってしまう質です。特にロック等の激しい曲やテンポの速い曲、打ち込み系も好んでいますので電車でDのBGMは私の好みに合っていました。そしてゲームを調べたらより新しい作品がある、やっぱり曲が良い、しかも自分が乗ったことがある路線が出てくるから電車に大して詳しくない私でも遊べるかも(あとセールしてたし)と購入したのが電車でD ShiningStageでした。
 ただ買ってからしばらくは遊びませんでした。なぜなら私は電車でDの前に大元の頭文字Dを知らなかったのです。タイトルは聞いたことがありました。あとは車の話らしいという大変ぼんやりした知識しかなく、同人作品を遊ぶのに原作知らないのはきっと楽しめないぞ、ということで電車の前に頭文字Dのアニメを見始めました。イニDの話を始めるとまた長くなるので手短にしますがとても面白かったです。電DSSのためにまず1st stageと4th stageを見たのですが(電DSSの舞台は4thの真ん中あたり)今ではアニメ版を3rdの映画混みで完走済みの大好きな作品になりました。車がまるで分からないのは申し訳ないですが曲と演出が良い。ストーリーも好き。そも電DのBGMはイニDに寄せて作られているわけで気に入らないわけがなかったのです。ユーロビート最高。お気に入りは「MISSION IMPOSSIBLE」です。なお漫画版はあと30巻くらい残ってます。今いろは坂から帰ってきたとこ。先は長い。

そして電DSS RTAへ

 私が電DSS RTAを走ろうと思った理由は、まず前提として電DSSが好きになったから、そのうえでこの良く分かんない動きができたら面白くない?と思ったからです。
 今でこそ電DSSのRTAを走っていますが、もちろん最初は普通に遊んでいました。線路がどっちに曲がるかなんて覚えてないのですぐ脱線するし、ドリフトの種類は間違えるし、駅やトンネルの場所も覚えてないので泣き別れはしょっちゅうでした。でもとても魅力的なゲームで、原作の原作と鉄道への愛が感じられました。ストーリーは原作の原作に沿いつつもめちゃくちゃで面白い、それに合わせた演出も細かく色々入っている、全体的にバカゲーですが要所要所で(主に原作の原作の力で)かっこいい、台詞に声をあてる声優さんもアニメに頑張って寄せている、そして曲が良い凄く良い、と愛に溢れています。それなりにリトライを繰り返してクリアしましたが、とても楽しかったです。
 そしてクリアして終わりはもったいないな、もうちょっと遊べないかなと思ってRTAを調べてみたらなんか電車が400km/hオーバーで走って跳んでました。何がどうしてこうなった。良く分からないけど面白いからやってみよう、ということで解説動画と記録動画を見よう見まねで走り、先駆者さんのところに突撃し、折よくRTAハッカソンというRTA練習イベントがあったので参加して初めて完走し、とやってきて今に至ります。

 現在の目標というか夢は走者3人で並走することです。だって絶対絵面が面白いと思うんです。画面ぐっちゃぐちゃになると思うんです。正直ガヤになりたいところですがはいすいません走ります。電DSSはPCスペックに挙動がかなり左右されるので、どうあってもオフラインでPCが揃っている環境でなければ公平に走れないのが難しいところですが、実現してほしいなと思っております。

おわりに

 気付けば結構な長さの記事になりました。ここまでお読みいただき本当にありがとうございました。
 もし電車でD ShiningStageを遊びたい、同人誌の電車でDを読みたいと思われた方がいましたら下記でご購入いただけます。
・電車でD ShiningStage DL版(DLsite)

・電車でD(メロンブックス、とらのあな等)

https://www.melonbooks.co.jp/circle/index.php?circle_id=285

 あと頭文字Dの作者、しげの秀一先生の現在の連載作品「MFゴースト」がアニメ化されて今年(2023年)10月から放送されております。相変わらず曲と演出とバトルの熱さが良い感じです。頭文字Dと合わせてどうぞ。


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