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彷徨うおっさん54 分断する男女(4/7) 女性と心が通わないおっさん達は結婚を選べず 婚活市場は空前の女余りへ

 前回は、おっさんが結婚について後ろ向きになっていった経緯をお話しした。今回は、それらを踏まえて、現代の先鋭化された恋愛観に始まる男女の分断についてまとめる。
 また、今のおっさん達から始まった男性の婚活市場からの撤退によって、婚活市場が飽和している現状についても紹介する。

<先鋭化した恋愛・結婚への価値観で、男性が交際や結婚を避け、ここに顕著な男女の分断が始まったか?>

 前回までの体験談で、かつ自身の経験を時代の変化のごとく語ったが。。。

 おっさんは、恋人と本当に心が通い合ったという経験を思い出せない。振り返るとそもそもそんなものは無かったようにすら思う。
 そして、同様に結婚しない男たちの増加、昨今の離婚増加や、家庭問題の辛さを目の当たりにするたびに、おっさん以外にも同類が割といるように思えてしまう。。。

 気持ちよかった思い出と、心が浮ついた思い出こそあるが、心が一つになった思い出はやっぱりないように思う。

 こうなると、娼婦と何ら変わらない。ああ、やっぱり自分の青春はある意味、娼婦と一緒に過ごしたのだなと。。。

 娼婦というだけで無条件に蔑むつもりもないのだが(実際本当に、後に風俗嬢と判明した相手とも諦めず交際したこともある)、おっさんが言いたいことは「精神的絆を深められる相手」が、異性では随分と少ないように思うということだ。

 男女を意識しなければそこそこ探せるが、とかくパートナーとしての相手にそこを求めようとすると、マッチングが難しいなと思う。

 恋人(ないし妻)であるからこその距離感、肉体的・性的つながり、恋愛感情というものが関わってくるからこそ、落ち着いた信頼できる女性とのパートナーシップというのは、目が曇って選択困難になるのかもしれないと思う。

 また、恋愛至上主義と恋愛における能力至上主義が先鋭化したことを、苦々しいかのように記述してきたが、かくいうおっさんも、現在の厳しい世の中で、生活を共にし、子育てまで考えると結局は、ある程度の水準以下(稼ぐ力、思考力や感情抑制能力が足りない)の女性との結婚は避けたいと考えてしまう能力主義に陥っている。また、かといって現実的に捨てきれない条件でもある。

<破綻した恋愛至上主義の果ての婚活市場の荒廃>


 かくも2020年代に至ってはもう、おっさんだけでなく、多くの男性がおっさん(著者)と同じ思考や体験の果てにたどり着き、恋愛における能力至上主義による男女のマッチングは飽和してしまったように思う。

 おっさんは無理な婚活から撤退してもう10年になるのだが、友人や種々の情報源によると、現在婚活市場は、どうやら本当に完全飽和して、まともな結婚自体が難しいと聞いている。

 また、おっさんが撤退したときにも存在した、わがまま放題で売れ残ったアラサー女性が、アラフォー女性として未だに寄生先を求めて闊歩しているようであるらしい。しかも、恋愛における能力至上主義で女が選び放題して、男性が撤退した結果、どうやら顕著に女余りなのだそうだ。

 現在、男性は収入があって性格が良くても、こうした際立って酷い女性ばかりの現状において、お金を払って酷い目に会わされる選択肢しか用意されていない。

 ならばお金が勿体ないのだからと、現在はどんどん婚活市場から撤退して、成り行き任せ、或いは好きに生きるようにしているらしい。

<厳しいマッチングの現実>


 良い悪いは別として、一時代前は、専業主婦体制と血縁組織がバックアップにあり、情報量もやるべきことももっとシンプルであった。加えて時代の流れが遅かったので過去の子育てや恋愛体験が通用した。
 つまり「正解のあった時代」でもあり、結婚・子育ては、安心感に包まれてメリットと生き甲斐につながっていたとおっさんは予想する。
(無論あくまで現在と比較しての話で、いつの時代も出産と子育てが命がけで、
むしろ専業主婦を強要されたことや、血縁組織由来の不幸な結婚もまたあったことは全く否定するつもりはない。)

 しかし、今やそれら伝統的背景はなく、一方で愛情による結びつきも乏しい(お金と能力ばかり)。

 男は「子を設ける」という僅かなメリットしかなく、年を経るごとに結婚への関心が薄れた。女も自立している人は同様に関心が薄れているが、そうでない女は、えり好みによって、男に大きなリスクと負債を負わせるのを当然としたまま、自身の棚卸しと達観が遅れてしまった。
 そうした深刻な状況になってしまったのではないだろうか。

 この雰囲気のまま婚活市場に無理にダイブしても、マッチングは成立しづらい。もし成立したとしても、子の幸福、更にある程度の結婚生活の継続という命題をそこに付加すると、その実現の難しさにはため息が出てしまう。

 今は経済が下向き、女性の社会進出が進み、子供が生まれれば教育費も嵩んでてんやわんやである。ただでさえ厳しい状況なのに、お金以外の面でも先鋭化された恋愛観が邪魔をしているのだから、感情的結びつきが生まれづらくなっている。

 昔の皆婚時代の、そこまでシビアではない価値観下でのマッチングや、自然恋愛で付き合いが長く、たまたまつり合いも取れているといったカップルの結婚でも、女性が先鋭化された価値観を掲げて不満を述べている例を知っているので、案外危うい感じがする。

 まして、婚活でステータスや条件を頼りに相手を求めるようなやり方では、永遠に幸福になれないように思う。養ってもらう前提の価値観、先鋭化された恋愛感の理想論でしかない、ときめくような毎日を望む価値観を女性が捨てられないと、いつまでもマッチングせず、精神がすり減るばかりであるように思う。

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