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彷徨うおっさん13 お金との付き合い方とは結局。。。(1/4) 主観的なお金の使い方の是非を問う意味はない

 お金はどう使うのが上手いか? 単純な額面で判断したり、たった一回の小さな買い物の仕入れの妙を見て、良いの悪いの言っても始まらない。大事な考えはもっと深いところにある。
 今回はそんなお金の使い方について、ちょっと違った視点で、おっさんの経験を交えながら考察していきたい。


<金使いの上手下手の意見の多くは主観的で無意味>
 誰かと買い物についての話題になると、共感を得らえることもあれば「高い高い」「無駄無駄」と大騒ぎされることもある。

例えばおっさんは一人暮らしをしていて

①家賃5万円台のワンルームで、自習室サービスを別途利用
②生命保険に加入している
③高級食材は殆ど自分で食べず、お友達や子供たちと一緒に食べる
④年中同じ服を着ておしゃれに無頓着だが、ヘアカットは高いところで普通の人の2~3倍は払っている。
⑤趣味として高い受験料と学費を支払って多くの資格試験を受験。支出は年間ウン十万円

そのおっさんを指して以下の言葉を言う人がいた。

①もっと安い賃貸探せ、自習室はもったいない
②保険なんて無駄
③自分で食べればいいじゃん
④1000円カットで十分
⑤意味のない資格なんて取ってどうするの

 額面だけ見れば全くその通りであるが、かといってその通りにしたらおっさんは「ただぼーっと生きているだけ」である。それぞれの支出に理由だってある。

①値段の割にいい部屋だと思うし、自習室は交流目的
②はその企業活動への応援投資
③はその方が幸福感を得られる
④は美容師は長年の友達(髪だけに)であるし、くせ毛の自分をよく把握してくれてカットも上手いから
⑤は最高の暇つぶしであり、資格ならばいくらか生産的と思うから

 よってどれもおっさんには「必要な支出」である。反論はあると思うが、使いたいように使い、貯金もしているのだから問題ないだろう。

 必要な支出の有り様は人によって様々で、高い車やバイクを買って改造までしたり、旅行に高頻度で出かけたり、エッチなお店にしょっちゅう出入りしている人もいる。
 オタクで、食玩などの関連商品が出れば、食生活を乱しても爆買いし、健康診断で引っかかっている人もいる。
 保険や自習室こそ入らないが、労働組合やアイドルのファンクラブに毎月数万払ったり、誰かの喜ぶ顔見たさではなく単なる見栄で飯を奢る人もいる。

 理由は省くが、話を聞くと、やはりどれも当人には「絶対に必要」な支出であると概ね理解を示せる。

 しかし誰しも、お金の使い方を変に批判されると「そういうあんただって」と相手の生活や趣味を批判したくなってしまうのが人情である。無論、批判する価値観も結局は「主観」であり、言い争いは不毛である。

 多くのメソッドでは、何を捨てて何を買うかについて語っていることが多いが、このように、金使いに係る意見の多くは主観的で意味がないとおっさんは思う。

<では明らかな無駄遣いはなにか>


 金の使い方の良し悪しが主観的であることを前提に考えれば、無駄遣いとは、
お金を払う事で本人が逆に不幸になったり、疑問が残ったり、誰かに負担が生じる支出ではないだろうか。



例えば、おっさんの体験の一つを紹介する。

 おっさんの知人(Aさん)に、目が見えない演奏者のコンサートに「支援してあげたい」という気持ちだけで1万円も払って聴きに行きたいという人がいた。

 音楽を楽しみたいならともかく。。。会ったこともない障碍者支援のために、そこまでの出費はなかろうと内心思った。
なにせAさんは自分の経営するお店でも赤字を出し、事務所の家賃支払いを滞納していたぐらいだ。

 ちなみにおっさんの分のチケットは話があった時点で手配されており、無料でいいから一緒に聴かせたかったとのことだった。
 当惑したおっさんは、ご商売のために使ったり、他の人に譲ってはどうか?と言ったが、結局貰い手がおらず、最後は何度もお願いされたため、渋々付き合った。。。

 行ってみると立派な会場で、羽振りのよさそうな人たちばかり来ていた。

 さすがは1万円である。中々強気な値段設定であればこうもなるか。
Aさんも、そこそこおめかしをして登場した(こういう出費も見逃せないものである)。

 演奏自体はとても良いものであった。目が見えない人の聴覚や手先は研ぎ澄まされており、技術面が特に凄い。逆に恋や情景の感情表現は音が透き通りすぎる印象で、トークも全然だったがまあそこは健常者と違うし良しとしよう。

 だが当のAさんは「難しい」などと言ってあまり良さが分かっていないようだった。高いお金を払ったのにこれでは勿体ない。妙な善意(おっさんの分のチケットまで)や功名心を発揮せず、身の丈を弁え、自分が理解できるところに投資をすべきだっただろうに。

 そしてあまり理解できないからおっさんを当てにしていた節もあったようだ。結果おっさんの時間を奪うことにもなった。支援のために強制的に他人を働かせたのでは本末転倒である

 この程度の考えでは、Aさんの「支援してあげたい」気持ちは明らかな高望みである。

 


次回に続く

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