第3話:風林火山
武田信玄で有名になった「風林火山」は、「孫子」の軍法書の抜粋だ。
『疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山』
「疾きこと風の如し、徐かなること林の如し、侵略すること火の如し、動かざること山の如し」
(本来は…)
「故其疾如風、其徐如林、侵掠如火、難知如陰、不動如山、動如雷霆。」
「疾きこと風の如し、徐かなること林の如し、知りがたきこと陰の如し、動かざること山の如し、動くこと雷霆の如し」
これも、サマろう。「移動は速く、陣形は静かに、攻撃は火のように全力で、山のように陣形を乱すな。」である。
「陰のように動きを悟られず、相手のミスや虚を突く時は雷のように一気に!」はゲリラ戦メインの日本では普通なので割愛。
実は、「孫子の旗」みたいな感じの呼び名で、いろんな氏族が使っていた説がある。当時のイケてる殿方は孫子というビジネス書を読んでたらしい。
風と火のない風林火山みたいな集団と出会った
この、風林火山って「風」と「火」を抜くと、
ものすごいナマケモノ感あふれる一説になる。
徐かなること林の如し、動かざること山の如し。つまり、微動だにしない。
以前、1回目の飲み会から、ビル上でのBBQ施設を選んできた人達がいた。
「なかなかハードル高いことするけどBBQ好きなのかな?」と思って臨んだ。まぁ、簡単な調理くらいはするだろうと動きやすい服装で行った。
男「いやー屋外のBBQって良いもんですねー!」「乾杯しましょ!」
一同「かんぱーい!」
とここまでは良かった。
男「じゃ!各々焼きましょう!」
と言ったきり、ずっと座ってビールや缶チューハイを飲み続けているのだ。
え?火も起こさないの?
え?BBQ好きでこの場所選んだんじゃないの?
君らは何もしないのかーい!!!!!!
だんだん、我々女による女のためのBBQの様相と化してきた。
味付けも我々、火を起こすのも我々、焼くのも我々。
途中「ごめん、煙いから焼くの時々交代してくれないかな」って言ったところ突如男性間の上下関係を発動し、一番年下に押し付けた挙句、その人も「うひょー煙たい!」と叫んでトングも置いてしまう始末。
あー、大変だった!さぁ食べよう!というところまでこぎつけたところ…
何も言わず男性陣から一斉に箸がのびてきたのだ!
( ゚Д゚)ハァ?せめてありがとうぐらい言えば?
笑顔を何とか保ちながらドン引きして終わった。
男性陣だけご機嫌で、2次会行こう!カラオケ?ボウリング?と言われたが、私たちは「疾きこと風の如し」を見習って速やかに帰った。
彼らもミッションの多いBBQを選ばず、
普通のお店を予約すればしばらくその本性がバレなかったはずだ。
そうやってしのいでいる人もいるだろう中、ある意味、一発目で馬脚を露してくれた正直者として、今では感謝している。
誰かと過ごす時、圧倒的にお客様目線の人達はいる
男友達の何人かが「一緒に海外旅行に行くと、結婚したい人かどうかがわかる」と話してくれたことがある。
手配もアクティビティもやってくれて当然、何のアイディアも出してくれないのに分かってない!と現地でご機嫌斜めになる女性は、男性もつらい。
ナマケモノの男性たちもそうで、何かを一緒に楽しもうとしている時に、「あわよくば何もやりたくない」というスタンスを一言でいえば、「お客様のように常におもてなしされる状態でいたい」ということになる。
コミュニケーションコストがかかり過ぎて辛い。
でも、人という字は支え合っている。(金八か)
片方が永遠にお客様でいたい限り、もう片方は辛い。共通の楽しみや幸せは一緒に増やしこそすれ、奪い合うものではないはず。恋人でも友達でも同僚でも、だ。
けれども、お客様目線の人達は、おもねる先になりやすい優しく控え目で我慢強い人を見つけるのが早い。(寄生虫か)
男女ともに、優しく控え目で我慢強い人は、婚活に限らず、一刻も早くそういったお客様目線の人達から離れて欲しいなと願ってやまない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?