「本日、土用の丑」
「本日、土用の丑」
というお札を渡されたうなぎ屋さんは、キョトン。
何のおまじないだろうか?
実は、客足がさっぱりのうなぎ屋さん、お店は悲鳴をあげるほどの閑古鳥。
思いあまって源内(平賀源内)先生に相談。
先生はたちどころに、さらさらと一筆
「よろしい、これを店頭に貼っておきなさい」
うなぎ屋さんは、いぶかしく思いながらも、店先にそのお札を貼った。
そうしたら、どういうわけか、その日は次から次へと、お客が舞い込み、瞬く間に満員御礼の売り切れ。
うなぎ屋の亭主は何がなんだか分からなかったかもしれないが。
流石は源内先生。キャッチコピーの元祖。
日本人は理由もなく妙に納得したり、早合点をしたり、知ったかぶりをしたりして
「なんだ??? おめーは知らねーのかい。昔から土用の丑の日には鰻を食って精をつけることになってんだ。しようがねえなぁ、ものを知らねぇやつぁ...」
とかなんとか言う人まで現れて、自分もその波に乗り遅れてはならじ、と競うようにうなぎ屋へ
お陰様でうなぎ屋さんは、もうかったし、庶民も夏場に栄養をつけることができたし、立派な行事も生まれたし、万々歳
けれども鰻にとっては、今日は厄日
それにしても日本人の軽率さ、付和雷同性、どうにかならないものかな?
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?