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コンドウノリカズ
2021年6月28日 21:19
風はいつも世界がそこにあることを教えてくれる。風が吹くと私は開かれ、世界がそこに現われる。開かれてはじめて、自分が閉じていたことを知る。開いてみれば内も外もない。思考に溺れるのも、風に耳を澄ますのも、同じだった。言葉も、風も、同じところからやって来ていた。私は、彼らが通りすぎるときに、一瞬だけ現われる幻想。存在しない、永遠に続く一瞬。