海外経験ゼロの純ジャパが英語力ゼロから TOEFL 80 点を取る方法
妻が TOEFL の勉強をすることになるかも!ということで妻のためにこの記事を書きます。一応妻宛ではありますが、もし興味があったら皆さんも実践してみてください。僕が MBA 受験のために英語を勉強していた時は中学レベルから1年半くらいかけて TOEFL 80 を取りました(中学レベルはわかっていたので、僕の場合はゼロからというより、イチからくらいだったでしょう)。今になってみれば TOEFL も TOEIC も全く難しいとは感じませんが、当時は本当にわかりませんでしたし、TOEFL は10回目にしてやっと80点をとることができました。どんなに辛くても、大学院を目指すなら、なんとか80点だけは取る必要があります。80の壁を超えて、日常的に英語を使う環境に数年いれば、いずれは100の壁も超えられるようになります(ちなみにネイティブでも満点はほぼとれません。良くて115~118くらいです)。
さて、早速本題にはいりましょう。
TOEFL の構成と点数の意味
TOEFL は Reading, Listening, Speaking, Writing の4つのセクションで構成されており、各セクション25点で、合計120点満点です。どうして80点がボーダーなのかというと、大学院入試の最低基準が80+だからです(つまり、大学卒業レベルが80点ということです)。大学の学部レベルなら60点から受け入れてくれるアメリカの大学もあるようですが、60点では授業についていくことは難しいので、学部受験だったとしても少なくとも70点は欲しいところです。
TOEFL, 英検, IELTS, TOEIC の特色
TOEFL はアカデミックな英語です。高校レベルの授業を読んで、聞いて、話して、書く、を想像していただければよいでしょう。またそれに付随して、大学生活でよくあるシチュエーションの会話なんかも出ます。例えば、教務課との会話とか。そういう意味では、ざっくり言うと、英検と IELTS も似たような感じですが、英検や IELS のほうがより文法や熟語問題が多い感じです。
対して TOEIC はビジネス + 日常生活用で、アカデミックな英語は出てきません。会議が遅れた、飛行機が遅れた、コピー機が壊れた、どこかのスーパーが特売をやっている、などという、ネイティブなら寝起きの小学生でもわかるような問題がでます。ちなみに TOEIC には「絶対出ない話題」というものがあって、検索すれば出てきます。
セクション別勉強法
勉強法と言ってもそんなに大層なものはありません。基本的にやれることをやるだけですが、少しコツを伝授しましょう。
Reading Section
まずは長い文章を読むことに慣れましょう。大学入試でも、長文が3ページくらいある長いものがありますが、あれをスラスラと読めるようになるくらいで良いでしょう。一応ゼロから TOEFL 80点を目指すという条件があるので、まずは高校入試レベルの長文を一日一長文読むところから始めましょう。長文読解をするにあたって大切なことは2つです。
中学・高校レベルまでの文法力
圧倒的 TOEFL 単語力
まず文法力ですが、例えば、杉山 忠一著 英文法詳解 新装復刻版を一冊やるような必要はありません(これを一冊読み切れる気力がある人はそうそういないでしょうw)。どちらかというとスピード重視で、中学の学参を使って、不定詞とは何であってどう訳すのか、動名詞とは何か、関係代名詞はどう使うのか、など、基礎的なところを固めたほうがスピードが上がります。問題を解いていくうちに、例えば関係代名詞の限定用法のような、高校レベルの文法が登場しますが、その都度検索して理解していくくらいでよいでしょう。
次に単語力ですが、単語力は TOEFL 4技能全てにおいて当然に必要です。ただ、最も単語力が求められるのは Reading Section です。そこで私がおすすめする単語の覚え方ですが、iKnow! というサービスがおすすめです。iKnow! の中では基本的な単語集から、TOEFL のような上級の単語まで幅広く網羅されているます。耳で聞いて、PC のキーボードでタイピングをする方式なので、スラスラと綴りも暗記できます。基本の単語を一通り学習したら、TOEFL Reading と TOEFL Listening の単語を全て覚えましょう(こんな感じで、コースに分かれています)。目標は 8,000+ 語程度の暗記です(iKnow! にはこれまで学習した単語の数をカウントする機能がありました(今もあるのかな?)。そこで基礎 + TOEFL 単語をあわせて5000語くらい覚えればまずはよいです。
Listening Section
リスニングは全ての基本です。赤ちゃんも最初は親からの言葉のシャワーで言葉を覚えていくでしょう。それと同じで、英語のシャワーを浴びて、それをアウトプットすることでだんだん話せるようになっていきます。純ジャパのリスニングの上達にはコツがあります。
聞いた英語を、丁寧に、抜けなく、書き出す
NPR News を毎日聴く
単語力を上げる
TOEFL のリスニングの例題や練習問題は YouTube や本についてくる CD に沢山あります。まずこれを聞くのですが、初めてでは絶対に聞くことはできません。そこでおすすめなのが、聞いた英語を紙に書き出すことです。聞こえた音をそのまま書くのです。間違っていても構いません、カタカナで書いても良いです。とにかく聞こえた音を書き出すのです。この作業を毎日大量にこなすと、ある日突然聞こえるようになります笑
次に NPR News ですが、これは無料のラジオアプリです。一日のニュースを3分にまとめてくれる今日のニュースみたいなセクションがあるので、それを何度も聞きましょう。ニュースの大まかな内容が理解できるようになるまで、3分のニュースを10回聞くと30分です。辛抱強くやりましょう。
単語力については上記の iKnow! を活用してもらいたいのですが、ここで一つ約束していただきたいことがあります。それは、1単語に1つついてくる例文をシャドーイングしてもらいたいのです。シャドーイングは、耳で聞いた音をそのまま口から出すことです。例文を喋ってくれるネイティブのまねをして、その一文がスラスラ言えるようになるまで練習してください。男性は男性の、女性は女性の真似をすると上達が早いです(英語は喉を使うので、同性の方が音が近くなり、習得しやすくなります)。
Speaking Section
スピーキングの大前提として、とある格言があります(いや、これ言ってるの俺くらいかもしれないけど、多分他にもいると思う)。それは「自分が言えない音は聞こえない」です。読んで字の如くなのですが、例えば長い長文をリスニングしていたとして、途中で出てくる聞き取れない部分というのは、自分が一度も口から出したことがない言葉だからです。そこで、リスニングのところに書いたシャドーイングというテクニックが必須になってきます。とにかく例文をスラスラ言えるようになるまで練習することで、一度は口から出したことがある音のレパートリーが増えます。これが増えることで結果的にスピーキングの技術も上がるというわけです。聞いて、話す、は人間のコミュニケーションの基礎ですから、まぁ当然と言えば当然です。
そしてもう一つ。スピーキングは引き出しの数が超大事です。ここでいう引き出しとは「表現の引き出し」です。スピーキングや、実際のビジネスの場での英語では即興で相手に自分の頭の中を説明する必要があるのですが、non-native である我々はそうスラスラと適切な表現が出てきません。そこでまずは、「お決まりのセリフは丸暗記する」が第一に重要となります。それができるようになってきたら次に、どう説明すれば良いかわからない場面で「即興で説明する力を身につける」フェーズに入ります。完璧な英語で回答をしなくても、制限時間内に回りくどくても説明をすることができれば部分点はもらえます。
例えば、「教授は何の話をしていて、ジョンはどのような疑問を持ちましたか?」という問題に対して「教授は天体物理学の授業を行っており、ジョンは火星の軌道について疑問を持ったので質問した。」が完璧な回答だとすると、これを即興で説明する技術が必要になるわけです。単語は設問の長文を聞いている間に出てくるのでメモをとっても良いですが、「軌道 (orbit)」「質問をする ([動詞] question)」という単語がわからなかったと仮定します。この時僕なら、「教授は天体物理学の授業を行っており、ジョンは火星がどのように周るのか、教授に尋ねた。」と回答すると思います。時間制限のある中で自分的にはダメダメだなぁと感じるかもしれませんが、僕の回答でも十分に点数はもらえます。以下を見てみましょう。
A.「教授は天体物理学の授業を行っており、ジョンは火星の軌道について疑問を持ったので質問した。」
→ "The professor was giving a lecture of astrophysics, and John questioned him about the orbit of Mars because John had some doubts."
B.「教授は天体物理学の授業を行っており、ジョンは火星がどのように周るのか、教授に尋ねた。」
→ "The professor was teaching astrophysics for the students. John had a question about how Mars go around the sun."
これ今即興で考えたのですが、A が良い回答で、確かに大人の英語という感じがします。ですが、B のような中3 ~ 高1レベルの英語でもTOEFL 80 レベルとしては十分なのです。スピーキング テストの本質は難しい大人の英語をスラスラと話すことではなく、拙い英語でも、即興で相手に自分の考えをしっかり伝えることの方が大事です。
スピーキングテストの後半では自分の意見を述べるような設問もあるので、しっかりとメモに自分の意見をサポートするような根拠を少なくとも2つくらいは用意して、スピーキングの録音に望みましょう。
Writing Section
ライティングは日本人が最も点が取りやすいと言われているセクションです。それはなぜかというと、型が決まっているからです。TOEFL のライティングは「あなたは A か B かどちらの意見に賛成ですか?」という問題です。そこで、以下のような型を習得してください。
これだけです。この型にはめて書くだけで、少なくとも20点は確保できます。できればここで稼いでおきたいので、80点を目標にするなら、25点はライティングで稼いで欲しいところです。
オススメ教材・塾
特にこれと言ってオススメはないのですが、Official Guide to TOEFL iBT with DVD-ROM は必須で、何周もする必要があります。ゼロからの英語ということであれば、書店に行って自分に合いそうな中学の英語教材を買ってくればいいでしょう。
塾で有名なのは御徒町の Yoshii English School(サイトが閉鎖されていたので開講しているか不明)や、イフ外語学院(学院長先生は数年前に急逝されました)などがありますが、どちらも基礎ができている人が行く前提の塾です。他にも TOEFL 対策をやっている塾はいくらでもあるので、探してみてください。
追加で、僕は日常的にインスタや Facebook のオススメで出てくる海外のアカウントの動画を観ています。字幕があることも多いので勉強になることもあります。動画を観るという点では、時間に余裕がある人は自分の好きな映画を「日本語字幕あり→英語字幕あり→字幕なし」の順番で繰り返し観てみると成長します。ハリー・ポッターなんかは誰もが読んだことがあるから、ストーリーがわからなくなることがないので、誰が悪役で、誰が誰のことを話しているのかを見失わないのでオススメです。ジブリ・ディズニーなんかも字幕付きで観てみてもいいですよ、色々な表現が学べます。
まとめ
というわけで、TOEFL にはこういった対策があります。英検や IELTS にも同様に対策がありますので、自分が受けるテストに合った対策をすることで最短で目標点数に到達できます。「テストとか関係なく本質的に英語力を上げたいんだ!」というのは少なくとも TOEFL 80の壁や英検準一級の壁を超えてからでいいでしょう。そこを努力で超えれば、全く新しい世界が待っています。
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