読書感想文【青が散る上・下】宮本輝
燎平は、新設大学の一期生として、テニス部の創立に参加する。炎天下でのコートづくり、部員同志の友情と敵意、勝利への貪婪な欲望と「王道」、そして夏子との運命的な出会い。青春の光あふれる鮮やかさ、荒々しいほどの野心。そして戸惑いと切なさを、白球を追う若者たちの群像に描いた宮本輝の代表作<上巻>
退部を賭けたポンクと燎平の試合は、三時間四十分の死闘となった。勝ち進む者の誇りと孤独、コートから去って行く者の悲しみ。若さゆえのひたむきで無謀な賭けに運命を翻弄されながらも、自らの道を懸命