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わたしを作った児童文学

こんにちは。
此島このもです。

かなり前に「わたしを作った児童文学5冊」というテーマで本を紹介しました。


その続きをやろうと思ってずっと書いてなかったなと思い出したのでまた書きます!

今回は4冊紹介しますね!


①『イワンのばか』

ばかと言われるイワンが四人の悪魔を次々にやっつけます。
子供の私は悪魔がイワンに魔法のような力を与えるのを面白く思っていました。また、イワンが与えられた力を本来とは違う用途で使う(兵隊には歌を歌わせ、金貨はおもちゃにする)ことも目新しく、変わった本だけどそこが面白い! と胸を躍らせていました。

真面目で勤勉なイワンならどんな悪魔が来ても大丈夫、と安心して読むことができたのも怖がりな私には良かったです。


②『ソックス ー売られていった子ネコー』

主人公は幸せな飼い猫ソックス。ところが飼い主に赤ちゃんが生まれ生活が一変してしまいます。

飼い主からの愛情が足りずいつも飢えて……今読むとソックスが健気で可哀想でたまりません。

私には2歳下の弟がいます。母によると弟が生まれた直後、眠る彼に向かって「ばか」と私が言ったんだとか。初孫で周囲から可愛がられていたのにかまってもらえなくなって寂しかったんだろうと母は笑っていました。子供の私はその話を聞きながら泣きそうになりました。記憶がなくても、心の中に確かに寂しい気持ちが残っている気がしたからです。

だから子供の頃は「2歳の私もソックスと同じ気持ちだったんだ」と共感しながらこの本を読んでいました。心の中がむず痒いような、苦いような、すっぱいような、不思議な気持ち。本の中の薄暗い場所に仲間を見つけた気がして、私には特別な一冊でした。


③『ロッタちゃんのひっこし』

前回リンドグレーン作品として『長くつ下のピッピ』を紹介しました。でも思い返してみればこちらの本の方が出会いが早かったです。

私はもうこの本大好きでしたね〜。
主人公のロッタちゃんは癇癪を起こして家出(本人としては引越しのつもり)しちゃうんですけれど、周りの人がロッタちゃんにめちゃめちゃ優しい! そして引越し先で遊ぶおままごとセットが可愛い! さらに引越し先でとる食事がすごく美味しそう! キラキラした楽しい引越しに憧れました。

私は人見知りでいくら家が嫌でも引越ししようなんて思ったこともなかったので、ロッタちゃんの自由なところにも憧れたんです。大好きロッタちゃん。


④『レンゲ畑のまんなかで』

これは実家の好きな本コーナーに置いていたのですが、大人になった今となっては内容を思い出せず……。

どんな話だったっけ? と読んでみて納得しました。
主人公の家はレンゲ畑の中に建つ空色のアパート。ピンクと空色の組み合わせが綺麗でうっとりするし、ところどころ出てくるおやつが美味しそう! よもぎ団子にチョコチップクッキー。カリカリベーコンを乗せたシロップたっぷりのホットケーキ。不安なときに飲むココア。どれも文章を読んだだけなのに私の心の中で確かに栄養になった気がします。

そして最後には安心のハッピーエンド。主人公が魔法のビー玉に願うと、元々違う学校の子だった親友が同じ学校に転校してきます。

子供の頃って転校とか引越しとか、そういう大切なことを決めるのは全部大人。自分の力ではどうにもならないことが多かったです。気がつくともう既に全部決まっていて、私ひとりが嫌がっても何も変わらない、そんな悲しい出来事も実際にありました。
だから、一度お別れした親友と同じ学校に通えるようになるなんて、本当の本当に魔法だ! と思ってこの本を大好きになったんですね。子供の頃にこの本を読んで喜びが爆発したような気持ちになったのを思い出しました。


以上です。

今回は実家の好きな本コーナーにあった本を紹介してみました。

内容を忘れていても、読み直すとああここが好きだったんだなと思い出すことができて、子供の記憶が私の脳に強く染み込んでいることを実感しました。

たまには自分のルーツを振り返ることも面白いものですね。

他にも好きな児童文学はまだありますので紹介する機会を作ろうと思います。

今回はここでおしまいです。ありがとうございました。






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