ちょっと連続自伝小説を書いてみよう、、、3

理由は忘れてしまったが

4歳か5歳の頃

わたしはなにか

腹にすえかねたことがあって

家出を決行した

その頃

陶器の

ワリと大きな

金色の打出の小槌を抱え

(少いお小遣いを貯めていた→小銭ばかりだから、大した金額じゃない!?)

「わたしはもう

この家にいたくありません。

だから今日、家を

出て行きます!!」と

母にハッキリ、キッパリ宣言した

わたしは真剣だった

けれど

母は、

「ハイ、ハイわかりましたよ」と

どうせ、こんな子どもが

実行できるわけないって、

たかをくくっていた

わたしはでも行くところは

実はなかった………

歩いて3分くらいの所に

母の母、祖母が

住む家があったけど

そこへ行くのは

家出じゃない

わたしのプライドが許さなかった

わたしはただ

腹にすえかねたことを

他の家族にわからせたかった

わたしが家族から受けた

理不尽なこと

たぶん

【お姉ちゃんだから、

我慢しなさい】なようなことが、

理由だったんじゃないかなあ→

なんでお姉ちゃんは我慢しなくちゃ

ならないのか???

この部分が

どうしても納得がいかなかった

許せなかった、のだろう

(あくまでも推測でしかないが、、)

わたしは小さな脳ミソをフル回転して

考えた

そうだ!

家の横に置いてある

乳母車の中に隠れよう

わたしは結構深さがある

籐製の乳母車の中に

身を潜めた

しばらくすると

「○○ちゃんがどこにもおらん??」

誰かが

「おばあちゃんちに

いるんじゃないの?」

「おばあちゃんちには

行ってないって、さっき聞いたから……」

母のオロオロした、心配な、不安な

気持ちが伝わってきた

【わたしはここにいるよ!

すぐ近くにいるよ、見つけてよ!】

わたしは面目なくて

いまさら、

乳母車にカクレテタナンテ

恥ずかしくて

出て行けなくなってしまった

【早く見つけてよ!お願い!】

ついに

我慢しきれなくなって

叫んだ

「お〜〜い、ここにいるよ〜〜」

声が聞こえた

母が飛んできて

見つけてくれた

「乳母車の中にいたんかあ?

きづかなかったあ、よかったあ!」

母の泣き笑いの顔が

今もわたしの胸に迫る

「心配かけてごめんなさい、お母さん」

泣きべそ顔で家にもどった

それからは

何か腹立つことがあっても

我慢できるようになった

あの日

愛されている

ことがわかったから

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