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Project Zomboid という磁場

買っても積みゲーになっていたProjectZomboid(プロジェクトゾンボイド)をフレンドとのマルチプレイきっかけでようやく起動して以来、このゲームに多くの時間が溶かされている。

積みゲーになっていた理由は「難しそう」だから。
アイテムは多いし、やれる事も多くて、すぐ死ねる。そして死んだら終わり。興味あって買ったけど、死んで嫌な気分になる未来がチラチラしてなんだか面倒に感じて、興味はけっこうあったのに積みゲー化していた。

で、やってみるとこれが想像以上にやれる事多くて、段取り分からないうえに、すぐ死ぬ。初回プレイはゾンビを振り切れず延々と逃げ続けるうちにバッドステータスが積み重なって眠いわスタミナ切れだわで死亡。

ある程度分かってきて2ヵ月以上生存し、苦労して大工レベル7になったり拠点も備蓄が進んできたけど、急に現れたゾンビにビクっとしてCapslockを押してしまい移動できなくなってパニクってるうち噛まれて死亡。
この時はさすがにアンインストールを考えた。

でもまた数日してこのゲームを遊んでしまう。

最初はまぁ死ぬよね

そうやって溶かされ続ける時間。そろそろこのゲームを遊んでしまう理由を考えたほうが、どうせ溶ける時間が少しは有意義な気がする。

なぜまた戻ってきてしまうんだ…


やってる事はアイテムをかき集めて拠点作り

雑に言えば、やってる事はこれだけ。
アイテムを使うのに必要なスキルレベルや、アイテムが複数必要だったりするので、拾ったら全て解決するという訳ではないが。
(そもそもアイテムはどう使うのか分からないことも多く、Wikiにも書いてあったりなかったりする敷居の高さもある)
とにかくサバイバルに必要な各種「アイテム」が、このゲームの軸になっている。と、自分は感じている。

「とりあえず取っておくか」の罠

自分は貧乏性&食に執着があるようで、いろんな家や施設を制圧または忍び込んでアイテムを漁り「とりあえずこれも取っておくか」と、余分なアイテムをつい抱え込んで持てるアイテムがパンパンになる。
で、これを拠点に持って帰ってまた同じ場所に行って…を繰り返してしまううち、時間が溶ける。

このゲーム、wikiを見る限りアイテム数は1500種類以上あり(多すぎ!)
(参考:https://pzwiki.net/wiki/Items
「とりあえず取っておく」で解決する量ではないので、当然時間が溶ける。
でもやっぱりアイテムを集めることは、今後の安心に繋がるのでついやってしまう。「とりあえず取っておく」か「とりあえず置いておく」は、軽めの判断の分かれ道となっていて、自分の成功体験や失敗体験や単なる無駄な苦労として、後の未来にブーメランとして帰って来る。
そういう取捨選択のゲーム性がある。

見えない敵「時間」の罠

このゲームは時間によって状況が変化する。
1:電気が止まる  ⇒(食料保存と車運用に困る)
2:水が止まる   ⇒(洗濯や農業、飲み水に困る)
3:ゾンビが増える ⇒(困る)
4:冬が来る    ⇒(寒いとHP減って困る)
状況変化が来るまでに備えておかないと、外堀を埋められるようにして徐々に死に近づいてゆく。自分の未来が不安だからこそ念には念を入れての精神が働いて「アイテムを取ってしまう」が発生する。

ちなみに、状況変化に備えるために必要なアイテムは以下になる。
1:電気が止まる
  ・発電機
  ・ガソリン携行缶
※2022/8/17追記(バージョン41.73でガソリンは空のボトルやペットボトルに入れられるようになり、ガソリン携行缶は必須ではなくなったみたいですね)
  ・ガソリンスタンド
  ・発電機用マニュアル本(職業によっては不要)
2:水が止まる
  ・ゴミ袋(雨樽用)
  ・クギ(雨樽用)
  ・ノコギリ(雨樽作成に必要な木板作成用)
  ・カナヅチ(雨樽用)
  ・大工スキル本vol1~2(できれば vol3~4)
  ・斧(木板が足りない時に木を伐採する用)
  ・パイプレンチ(蛇口の配管用)
  ・蛇口とか、水道が出るもの
  ・プロパントーチ
  ・溶接用フェイスマスク
3:ゾンビが増える
  ・武器とか武器とか武器とか
  ・できるだけ防御力の高い服
4:冬が来る
  ・ストーブ
  ・マッチかライター(ストーブに火をつける用)
  ・セーターなどの暖かい服

上記の状況変化の準備に加えて、生き続けるために
さらに多くのアイテムやスキルが必要なようになっている。
・探索時の食料&飲料水
・自給自足の準備(罠、農業、漁業とか)
・移動や荷運びのための車
・拠点作成や探索に便利な道具やスキル
・スキルレベル上げを楽にするための本
・読まないとアイテムクラフトができない雑誌
・各必要なスキルレベル上げ作業(これがスキルによっては大変…)
とか。

なーのーに、時間制限がある。
ゲームスピードは決して早くないが、段取りとしては慌ただしい。
ここでもプレイヤーは行動の優先順位を取捨選択させられる。

アイテムの数だけ性格が反映されてしまう
職業×自分の性格の罠

さらにリスタートで選んだ職業(消防士とか警察とか)や特性(愛煙家とか鈍感とか)によって、優先的に集めるアイテムやスキルが変わってくる。

でも、他人のプレイ動画を見て試しにやってみると、前述の「とりあえず取っておこう」みたいな性格による立ち回りが発生し、他人のプレイ動画とはまた違う展開に…
「お前はオレで、オレはお前だ」状態の自分なりのペルソナが、リスタートで思い描いていた職業&特性ごとのムーブに掛け合わされてゆく。

「MAP理解」という重要な知見

ここまで長々と書いてきた数々の「アイテム」だが。
拾えるかどうかは「運」だけではない。

例えば「銃」なら警察署、「消火斧」なら消防署など、それが”ありそうな場所”に置いてある。そのためMAP理解も必要で、1回目より2回目のほうが確実に立ち回りの効率が上がる。

もちろんMAP理解のためには世界を探索しなくてはならず、街に溢れるゾンビや民家の中に潜むゾンビを排除 or 追尾を振り切る必要があるうえ、不運にも侵入時に警報装置が鳴ってしまうと、必要なものがありそうな場所を一時的に放棄する判断も必要になる。

MAP理解のリスクとリターンは自分の判断に委ねられる。
まさに冒険&開拓で楽しい。

なお、Project Zomboid Map Project という超有難いサイトがあるが、目的のアイテムがあるかどうかは不明なので、結局「行かなければ分からない」状況は発生しがち。
https://map.projectzomboid.com/

MAPに色々メモしながら開拓するの楽しい


ゾンビとの戦闘は作業的だがノウハウもある

ゾンビ1体は、脅威ではない。
戦闘のノウハウとしては…
・距離を保つ(接近しすぎない)
・背後や退路には注意しておく
この2点に気を付けていれば問題はない。

だが。

・たいてい、ゾンビは1体ではない
・ゾンビの攻撃1発で死ぬ時がある
・与えるダメージにはムラがあり、同じ攻撃回数で
 死ぬゾンビと死なないゾンビがある
・武器を空振りすると、空振りモーション中に
 ちょっとだけ追いつかれる
・距離を取ろうとすると、振り返りモーション中に
 ちょっとだけ追いつかれる
・プレイヤーは背後の視界が見えない

武器を空振りしてガブリ…というのは、自分の初期定番ムーブだった。
そういう苦い経験もあり、いくらかの緊張感がある。
戦闘は慣れると作業だが、1発があるので逆にこの”慣れ”がミスを誘発する場合も少なくなく、結局「ゾンビとの戦いは自分との戦い」になっている。

倒した後も、ぐるっと周囲を見回すことは大事


結局は
『”崩壊した世界”という白紙世界だからこそ
浮き彫りにされ実現されてゆく、自分らしさ』
を楽しんでいるんだと思う


シナリオの無いFallout4というか…

もちろん違う部分も多いのだが、現時点では時間を溶かしてしまう要素(アイテム収集や拠点作成)はFallout4に近いなぁ…という感想だったりする。
となると、ある日ふっと「なんで俺こんなガラクタ集めてるんだろ」って気分になって急にプレイしなくなる…ということも想像できる。

多くのゾンボイドプレイヤーがNPCや、犬など相棒の導入を口にするのも、理解できなくもない。

拠点に自分1人は確かに寂しい


マルチの楽しさと入門性

性格が出るゲームだけに、マルチはとても楽しい。
もっといえば、discordで自分のプレイ動画をフレンドと共有しながらのマルチはとてもとても楽しい。特にMAPを知らない状態でのマルチは知り合いと役割を分けながら、全員で手分けして探索&アイテム漁りをしないと、電気や水の停止に間に合わない。

ちなみに、4人ぐらいだとアイテムの取り合いにはならないが、10人以上のマルチだとどうなるんだろ?(多人数マルチやったことないので…)

時間の概念があるゲームなので、サーバーを立てて好きな時間にアクセスして遊ぶ…という形式には、あまり向いてないと思う。今のところ、気の合うフレンド同士で遊ぶ時間を合わせての少人数マルチが最適なんじゃないかと思うが、実際のところどうなんだろうか?

もちろんこのゲームは面倒な事も多いし、分からない事だらけで、すぐ死ぬ。それだけにこの「分からねー」を共有&解決できるマルチは、積みゲーにしがちなこのゲームを体験する入口としてオススメしたい。

フレンドとスーパーやショッピングモールを占拠&拠点化するのは
「ゾンビもの」ならではの醍醐味と言える


このゲームを遊んでしまう理由 まとめ

1:膨大な数のアイテム収集は、常に小さなリスク&リターンがある小目標
2:中目標として時間制限への対応が問われる
3:死んでも職業や特性変更で多少は異なるリスタート
4:MAPを開拓&理解していく冒険感
5:ゾンビの1発をもらわない立ち回りが求められる緊張感
6:拠点には”自分らしさ”が詰まってる大目標(特にソロプレイ)

車はゾンボイド最強のアイテム
拠点で安全に整備できるようになる頃には
溶けた時間を考えると死ぬわけにはいかなくなるんだよなぁ…

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