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ロッケンロールばばあになる方法

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カワイイおばあちゃんになるなんて無理! ならば、ロックなばあさんになればいい!日々のいろいろ、てきとうに更新。
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2018年12月の記事一覧

死体の横で眠る

もうすぐ日付が変わろうとしていた。 すっかり支度の整った父は、さっきより少し硬くなっていた。死後硬直というやつが始まっている。ドラマなどでよく聞くセリフだけれど、生の人間で見たのは初めてだった。それでも体とベッドの間に手を入れると、まだほんのり温かいのが切ない。 父の体を清め、着物を着つけてくれたケアマネFさんとナースのKさんを見送った。心優しいKさんは泣いていた。毎日通ってくれた訪問看護師さんたちに、もう会えなくなるんだ…。そう思ったら急に寂しくなった。 ケアマネFさ

ちちが死んだあとにしたこと

あの夜には、まだ続きがある。 父が息を引き取ったのは、11月2日pm8:30ごろ。ごろ、というのは、だれひとり正確な時間を見ていなかったから。「たぶん8時半くらいだったよね」ということで満場一致。ひとしきり泣いたり笑ったりしたあと、「そのときが来たら、ここに電話してください」と、いわれていた訪問看護ステーションへ長姉が電話をかけた。 15分か20分か、いつものように自転車でかけつけてくれたのは、敏腕ケアマネジャーのFさんと、緊急の呼び出しで休みの日や夜中にも何度か来てくれ

ちち、逝く 1102night

夜になり、父の容態も変わらないので「一度家に帰ろうか」と考えていたところに来客があった。母の妹である叔母と従妹夫婦が、父の見舞いに来てくれたのだった。今日まで叔母は、父の容態を知りながらも見舞いを遠慮していたのだという。母や私たちが、父の介護以外のことで気を使わないようにとの配慮らしかった。そのかわり電話や手紙(これが毎回笑える!)を頻繁にくれていた。そんな叔母が、その夜に限って突然やってきたのは、なにかの知らせを受けたからだったのかもしれない。 母のきょうだいは誰一人例外