カッコいい大人には、なれなかったけれど
20代のころ、わたしには憧れの大人像があった。
ひとことで言うと「大人の不良」。
とにかくカッコいい大人に憧れていた。
個性的な服を着て、夜な夜なバーやライブハウスに出没。どの店に顔を出しても知り合いがひとりやふたりいて、こじゃれたトークをつまみに酒を飲む。
そんなイメージ。
どうしてあんなに憧れたのか。わたしはそれになりたくてなりたくて仕方がなかった。
そして30歳を過ぎたころ、その夢に近づこうと、
知り合いの知り合いがやっている店、と噂に聞いた六本木のバーへ