短歌冊子「フミノオト」の話

所属結社の解散後、何か作歌の励みになる拠り所が必要だと思った。〆切に迫られて書く厳しさがなくなってほっとした反面、歌を書く方へ追い込んでくれるものが何もないと仕事と生活に翻弄されて毎日が終わってしまう。それではだめだ。
紙もの――印刷物がいいと思った。簡素でいいから自力で作り続けていけるもの。
短歌を始めたばかりの頃、「空中底辺」というタイトルで小冊子を作って数人の方に配布したことがある。A4用紙に両面印刷、半分に折ってステープラーで中綴じ製本。造りも中身も粗いもので、数回で挫折したが、あれなら印刷から製本まで全部自分でできる。
ひとりだけでやっているとモチベーションを継続するのが難しそうなので、親しい歌の友人幾人かに声をかけて、作品を寄稿してもらうことにした。



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