ニーバーの祈り

〈私たちに変えられないものを受け入れる心の平穏を与えて下さい。変えることのできるものを変える勇気を与えて下さい。そして、変えることのできるものとできないものを見分ける賢さを与えて下さい。〉
「二ーバーの祈り」という文言にはじめて触れたのは、斎藤学さんの本を通してだったかと思う。それから二十年以上経った。今でも自分は「人並み」だとは思えないが、とにかく病気にもならず薬も飲まず働くことができているのは、努力したからではない。努力なんてできなかった。たまたま助かったのだ、状況が変化したから、周囲の人に恵まれたから。本を読むこと、短歌を書くこと、身体を動かすこと、自分を励ます手立てにたどりつけたから。
二ーバーの祈りを読み返す。これを読む時わたしはいつも不完全で無力な「ふりだし」の地点に立っている。何年経っても、願いは同じだ。よりよく読み、書くための平穏を下さい。壁を恐れない勇気を下さい。本当のことを見抜き、見分ける賢さを下さい。

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