見出し画像

ジタバタ生きる自分を上から見てごらん

武士の娘だった祖母の教えは
ずっと昔のものなのに
私が人間的に成長するほど
いっそう深く、豊かな色彩をもって
語りかけてきます。
今日、想い出したのは
雲に乗ったつもりで
じたばた生きる自分を見てごらん。
滑稽で可笑しくなるから、という言葉。
ああ、そうだよね、と笑いながらも
涙がこぼれてくる。
この言葉を言った時
祖母がどんなに苦しかったか
人生の酸いも甘いも経験した今は
切ないほどよくわかる。
生きるって、そんなにかっこいいもんじゃない。
誰もが水鳥が水面下で足をかくように
どこかで、もがきながら生きている。
スマートじゃなくても、いいじゃない。
必至で生きる自分の姿が滑稽に思えるのは
愛しくてたまらないからなのです。


写真:魚住心


みなさまからいただくサポートは、主に史料や文献の購入、史跡や人物の取材の際に大切に使わせていただき、素晴らしい日本の歴史と伝統の継承に尽力いたします。