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形代から雛人形へ

人形(ひとがた)は古代より
祭祀や呪術に「形代」として用いられていました。
土偶や人物埴輪などは、
神霊を下ろす依り代として
使われていたと考えられています。
神社では今も紙の形代に穢れを移し、
水に流す大祓が行われます。
『古事記』にも「大祓」という言葉が見えているので、
少なくとも天武天皇の頃には習わしとして
定着していたのでしょう。
形代を流す儀式は、かつては上巳の節句にも
行われていました。
平安時代になると貴族の姫君の間で
「雛(ひいな)遊び」が流行り始め
上巳の節句には雛人形を飾るようになったのです。
江戸時代に五節句が制定されてからは
飾って愛でる存在へと移り変わりました。
雛人形の小さな物語です。


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