30-2 梅すだれ 御船/木花薫
マサの乗る船は島原や天草、時に長崎まで荷を運ぶが頻度はそれほど多くはなかった。半分は船に乗らない日だったので、そんな日は北東に位置する朝来山へ山菜を採りに行く。それをお桐がお孝の母親の真似をして塩漬けにした。
冬の間、お滝は竹籠を編んだ。春になったら始める予定の飯屋では、握り飯を持ち帰れるようにする。その為の蓋つきの小さな籠と、日用品を入れられる大きな籠をいくつも編み、大きな籠は宿屋や市場で売った。
お桐は壺をいくつか調達し、山菜の漬物や得意の香香を漬けた。そして畑で採れ