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かっぱファミリー

誰も知らない、山奥の、川にかかってる橋の下のほら穴の中に、かっぱの家族が住んでいました。 

かっぱ家族の一日はこんなふうにして始まるのです。 朝早く、かっぱパパはお仕事に出かけます。かっぱパパのお仕事は人間に化けて人を調査をすることです。   かっぱママは、朝ご飯を作って、家事をしたり、畑のきゅうりの世話をしたりします。  六年生の長男ヒューと、四年生の双子の長女ミューと次男リューは学校に通っています。学校では人や動物に化ける勉強やきゅうりの育て方を習います。  三男のキューはまだ3歳で川の近くで遊んだり、畑のきゅうりに水をやったりします。 

ある日のことです。 ヒューとミューとリューが学校から帰って、キューと遊んでいると、かっぱパパが大急ぎで帰ってきました。話を聞くと、化けている時間がきれて人間に見つかってしまったのです! もしこのかっぱ家族が見つかってしまったら、博物館かサーカスに連れて行かれるに決まっています。大変です。 みんなが慌てていると、かっぱママがいい考えを思いつきました。 かっぱママは土に化けて家があるほら穴の入り口に座ると穴がないようです。そのまま人間たちがあきらめるまでかっぱママは穴の入り口に座っていました。 人間たちがあきらめるとかっぱママはやっとかっぱに戻ることができました。 この後かっぱパパは言うまでもなくかっぱママにおおめだまをくらいました。