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2022/01/04 五分目悟とネズミ捕り

 今日は午前中に起床。そのままずっと家にいた。机に向かって画面を見続ける一日だったので、特にめぼしいことはないのだけれど、見つけたおもしろい動画を並べていく(新年序盤から早々話題に乏しい)。

 今日特にわくわくして見ていたのが五分目悟さんとネズミ捕り。
 五分目悟さんは僕の学校でも、あまり接点のない人々の間で盛り上がっていて気になっていた。今日偶然発見しチャンネル内の動画及びショートを全て見る。その動画の投稿者の名前も知らないで気になっていたわけだけれど、なぜわかったのかというと、五分目さんの投稿している動画は全て妙にリアルなアニメーションで、かなり不気味な話し方の人物が登場するから。あまりに癖強なので、学校で盛り上がっているグループの様子を窺えば、スマホの画面をちらっとくらいは覗き見れるし、音は聞き取れる。グループの人々は画面に見入っているので僕のことは気づかれず、そのため話しかけるのも憚られたので「それなに」と聞くこともできず、かなりの焦らしプレイの末今朝発見したという次第。
 これがおもしろい。一つ一つの場面は既視感があるのだけれど、それが思いもよらぬ繋がり方をして、結果いびつなパッチワーク動画が出来上がる。それもすべて出鱈目というわけではなく、ほそーく起承転結が見える、しかし作者の意図や手垢は見えない、という完成度の高さ。なによりCGのクオリティが高く、動画時間もお手軽、隙間時間にちょっと見るとたちまち何時間か過ぎているような、そんな中毒性もある。

 これは最新作。YouTubeの銀の盾が届かない、という始点からの躍動が凄い。どうしてこうなってしまったんだっけ、という場面が五分目さんの動画には多くあらわれるが、そんな現実世界の物事の手順を完全無視した展開の畳みかけ方がどこか美しくもある。
 あげられている動画の本数はあまり多くないので、是非全て見切ってほしい。

 もう一つはネズミ捕りの動画。ここから先は不快に思う方もいると思うので閲覧注意。グロなどではなく、大量の鼠が餌に群がっている絵が一枚でる(見ているうちにそれも可愛く見えてくるのだけれど)ので、一応言っておきます。

 なにやら日本語が怪しいが、それもそのはずこのチャンネルは海外のネズミ捕り探求家による一連の動画集の日本語訳バージョンであるから。ラッキースターという名前が動画の趣旨に全く合っていなくて良いですね。

 この画面の暴力性にまず惹かれた。 やはりこれはちょっと、動画を見ないとわからないかもしれない。その熱狂が……。
 初めに動画主が一面に餌をばらまく(箱の上の部分は金網になっており、餌はそれを通り越して箱の中に入る)。左側の金網で出来た橋の袂に餌を多く撒き、ネズミを橋におびき寄せる。 まんまとネズミは橋の袂に引き寄せられ、やがて混雑に辟易したネズミたちが、(おや、こちらの箱にはまだ餌がたっぷりあって、誰もいないぞ。さて、どうやっていただこうか……)とおもむろに橋を上り始める。それからはもう、青いプラスチックの入り口からすぽんすぽんと次々にネズミが入っていくリズミカルな映像が繰り広げられる。
 おもしろいのは、箱の中の餌が尽きようとする一場面。頭のいいネズミは、既に事態の異様さに気づいているため橋に手を掛けても青い入り口に突っ込んでいかない。ネズミってかなり賢いんだな。
 そしてとうとう餌が尽きると、一匹のネズミが上を向く。そうすると一斉に他のネズミも天を仰ぎ始め、出たいと懇願するかのように鳴き始める。他のネズミを踏み台に、ジャンプして入り口を目指そうとする輩も現れるが、脱出率は極めて低そうだ。
 ここまでくるともう可哀想の域に達するのだが、実際に獣害にあっている方からすればこんなに見ものな動画はないだろう。のほほんとしたBGMが相まって、動画はじりじりと狂気を帯び始める。その薄味の狂気がなんとも上品で、このチャンネルの動画をかなり漁って仕舞った。
 ネズミ捕り。これはまだまだ掘られるべきジャンルではなかろうか。
 


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