リアルぼっちがマッチングアプリを使ってみた/07.男社会
初めて自分からわがままを言ったかもしれない。なんだかとてもわがままを言いたくなって、えいやっと思い切って言ってみた。
声を聞きたいので通話をしませんか?と言ってみた。シャワーを浴びている時に、その日は無性に寂しくて、人と関わりたいと思ったのだ。
お昼ごろに通話をした。
私は一定の関係を積んだ人間への依存度が高くなる傾向があるので、声を聞くだけでも落ち着いた。
その人は「男だから」「男らしく」という言葉を頻繁に使う。おそらくいままで「自分が男である」「だからこうしなければいけない」というモチベーションでやってきたのだろう、と思う。でもそれも限界が来ていて、その限界に気付いていることがまずとてもすごいことだなと思った。
『違国日記』に登場する30代半ばの男性、笠町さんは「男社会を降りた男」として登場する。
男性優位社会において最も苦しめられているのは男性であるという話にも繋がりそうだ。
女性や子どもの権利、社会的弱者になりやすい人間の権利が剥奪されているように見えるものの、その一面もあるが、男性優位社会という土俵で闘わされなければならない男性も権利の剥奪の可能性に晒されている。
実際、現在の日本ではホームレスは圧倒的に男性の方が多い。
それは女性であればどこかに嫁ぐ、水商売をするという形である種の受け皿に引っかかることができるが、土木などの肉体的労働ができない男性はホームレスになるしかないという現実がある。
現在の日本の男性優位社会は一部の恵まれた男性のみが優位に立てる社会で、そんな社会にはやはりどこもかしこも歪みが生まれている。
そんな歪みの受け皿は十分に用意されていない。
この男性優位社会はきっと変わってゆく。Z世代などこれからの新しい世代にはきっとあまりにも不相応だからだ。
まだ時間はかかるだろう。でもきっと来る未来は存在している気がする。
日本の新陳代謝の遅さは都市ではなく地方からすでに始まっているといったような海外の解説動画を見たことがある。権力、金、コネで繋がっている人間の関係性は新陳代謝を遅くさせる。一部の人が恵まれる仕組みがこれから変わってゆくことができるなら、日本の新陳代謝はきっと上がっていくだろう。
この社会で闘っている人、闘うことを辞めた人、すべての人が暮らしやすいと思える社会を願って。
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