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児童福祉で起業することにした話

はじめまして。河野と申します。
社会人になって15年目の二児の父です。
自分の想いを言語化できたらと思いnoteをはじめました。

会社を辞めました

いきなりですが、2023年11月末に長らく勤めていた会社を退職しました。
2014年10月に入社したので、なんと9年2ヶ月も在籍していました。

私がいたマネーフォワードは、当時は50名だった社員も今では2,000名以上となり、入社当初は想像もしていなかった規模の会社になりました。そんな会社の変化を見続けて、一緒に成長させてもらったことはとても楽しく幸せなことだったなぁと思います。

マネーフォワードでの6年間、出向先のスマートキャンプでの3年間、非常に多くの経験をさせてもらいました。同時に素晴らしい上司や仲間とも出会うことができ、マネーフォワードに入って本当に良かったと思っています。

こんな大きなビルで働くことになるとは・・・

そして「会社を辞めて次は何をするのか」という話ですが、転職ではなく起業をすることに決めました。(というかもう起業しています)
これまで長く身を置いてきたIT業界ではなく、児童福祉の領域でチャレンジします。当然ですが全くの未経験の領域です。

なんで児童福祉なのか

「なぜ急に児童福祉なのか?」という点についてですが、理由はシンプルで自分の家族が障がいを持ったからです。次男が生まれつき重度の障がいを持っており、「障がい児の保護者」としての原体験をきっかけに起業を決断しました。

起業して具体的に何をやるのかと言うと、未就学の障がい児が利用する「児童発達支援事業所」の運営をやります。すごく簡単に言ってしまうと店舗経営のような感じです。

私の次男の場合、重度の障がいを持っているので当然幼稚園や保育園に通うことができません。代わりに児童発達支援事業所に通い、そこで療育という支援を受けます。

療育(発達支援)とは、障がいのある児童やその可能性のある児童に対し、個々の発達の状態や障がい特性に応じて、今の困りごとの解決と、将来の自立と社会参加を目指し支援をすることです。

児発との出会い

重度の障がい児を育てることのリアル

障がい児を育てるのはなかなか大変です。

次男は4歳くらいまで口から飲食することが困難だったので、鼻に管を入れてそこから栄養を摂っていました。ずっと同じ管を使い続ける訳にはいかないので定期的な交換が必須ですが、交換の時は必ず次男は泣き叫んで暴れました。そういう日々が続くと、やはり親も疲弊してしまいます。

また、次男はてんかん発作を持っていました。発作が起きると体が痙攣し、呼吸が止まってしまうこともありました。最近はだいぶ落ち着いてきましたが、4・5歳くらいまでは呼吸が止まって救急車で搬送されることも半年に1回くらいありました。

当時は「油断したら死ぬかもしれない」という危機感とともに日常生活を送っていました。そのため夜は、正常に呼吸しているかがわかる機械をつけて寝ていました。これがちょっとした呼吸の変化にも反応するので、深夜にアラート音で目覚める、そんなことが毎晩続いていました。
そうなると当然睡眠もまともにとれなくなり、メンタルだけじゃなくて体にもダイレクトに悪影響が出てきます。

さらにこういった悩みを吐き出せる先がないという問題もあります。
障がい児の親は相談できる相手がなかなかいないのが実情です。健常児のママ・パパに障がい児の悩みを伝えても共感は得にくいです。「不安・悩みを伝える相手がいない」というのは結構キツイです。

そんな毎日が続いていたので、私たちの不安・疲労度はどんどん大きくなっていきました。

児発が自分たちを変えてくれた

そんな中、行政や病院の紹介で児発の存在を知りました。当時は児発が何をしてくれるのかもよく理解できていませんでしたが、今では本当に通って良かったと思っています。

児発に通い療育を受けることで、次男は少しずつですができることが増えてきました。ものをつかんだり、自分で移動したり、何かを要求したり。成長はとてもゆっくりですが、その小さな変化は私たち保護者にとってとてもポジティブなものでした。

また、児発の職員さんとの日々の会話が自分たちを前向きにしてくれました。子どもの障がいについてオープンに話せる環境が周りにない状況で、変化や成長を明るく・誠実に伝えてくれる人たちの存在はとても大きかったです。

このような体験を経て、児童福祉の重要性を強く感じるようになりました。そして「児童福祉に恩返しがしたい」「自分たちのような家族を支援したい」という想いが徐々に強くなっていきました。

起業への想い

同じ境遇の人たちの力になりたい

当事者として児童福祉の存在意義を強く感じたものの、すぐに起業という意思決定をするのは難しかったです。起業の可能性を考えてから決断するまでに約2年弱かかったと思います。

自分のキャリアや、未経験業界であることなども色々悩みましたが、最後は「自分が熱意を持ってやりたいと思えるのは児童福祉だ!」という想いで起業することを決めました。

大切にしたいこと

自分自身の原体験をもとに児童福祉の分野で起業するにあたり、大切にしたい3つのことがあります。

・子供の「できた」を支援したい
・家族の自己肯定感に貢献したい
・コミュニティを作りたい

先ほども言ったように、障がい児だけでなくその家族への支援を大切にしたい。さらに共感が生まれる繋がりを作りたい。そんな想いをいつか必ず形にしたいと思っています。

短期・中長期の目標

まずは「グレーゾーン」と呼ばれるような、発達に遅れが見られる児童の療育に注力する予定です。将来的にはうちの次男のような重症心身障がい児の支援にもチャレンジしたいと思っています。

軽度の障がい児への療育支援のニーズは今後も増えていくと思われます。そして、重度の障がい児はそもそも通える場所自体が不足していて、利用したくてもできなくて困っている児童・保護者がまだまだいます。

今回の起業でそういった社会的な課題に対して向き合い、障がい児とその家族が少しでも明るく前向きに生きていける世の中にしていきたいと思っています。

また、自分の活動をきっかけに児童福祉に少しでも興味・関心を持ってもらえたら嬉しいです。

最後に

今は2024年4月の児発開所に向けて準備を着々と進めているところです!
物件は既に決まっており、東京都武蔵野市にオープンします!

開所するのはアートキッズ療育という事業所です!
運動とアート(制作活動)を組み合わせて、子どもたちの「できた!」という体験を大切にします。1人1人の個性が違っても楽しく過ごせる場所にしていきたいです。

内装工事前の物件。奇跡的に居抜きで借りれた!

また、児発で一緒に働いてくれるメンバーの採用も進めています。児童指導員さんとしてジョインしてくれる方を探しているので、もし皆さんのお知り合いに転職検討中の児童指導員さんがいたらご紹介いただけると助かります!

最後に図々しいですがウィッシュリストを作りました!
ウィッシュリストには児発に必要なおもちゃ・絵本・備品などが入っています。児童福祉へのチャレンジを応援してもらえると非常に嬉しいです!

(追記)
Facebookでウィッシュリスト公開したらあっという間になくなっていました・・・。支援してくれた人たち全員に感謝しかないです。自分は本当に人に恵まれているなと思いました。ウィッシュリストは随時アップデートするので、応援・支援してもらえると嬉しいです!

X(旧Twitter)をやっていて、障がい児の子育てや児発の開所・運営についてつぶやいてます。フォローしてもらえると励みになります!

今回は一発目ということで苦手な文章を頑張って書いてみました。長続きするためにも今後はもう少しゆるい感じで書いていこうと思っています。

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