Hatten Wines
Hatten Winesはバリ島サヌール地区に位置するワイナリー。
インネシア国内では国産ワインのブランドとして知名度が高く、在住者でなくともインドネシアに来たことがある方は、街中や空港の土産物店などで見かけたことがあるかもしれません。
国内のワインメーカーとしては最大手クラス。
「Hatten Wines」とは一つのワイナリー名であるのと同時に、異なったコンセプトのワイナリーを束ねるグループの名前でもあります。
今日は、Hatten Winesグループに属す3つのブランドと、いちワイナリーとしてのHatten Winesについて、覚書きがてら書いてみます。
Hatten Winesグループが包括する3つのワイナリー
まずは3つのワイナリーのざっくりとした特徴から。
いずれも醸造家はオーストラリア バロッサヴァレー出身のJames Kalleske氏。
・Hatten Wines
100%バリ島産ブドウを使用したワイナリー。
(詳細は後述)
ワイナリー公式HP
・Two Islands Wines
原料のブドウはオーストラリア、南オーストラリア地区産。
*インドネシアの酒屋でよく見るオーストラリアワイン、Penforldsが位置するのもこの辺り。
品種の特性を考慮しながら、バロッサヴァレー、クナワラを始めとするワイン銘醸地のブドウを使用しています。
生産するワインは、国際品種(シャルドネ、リースリング、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラーズなど)を使用した白、赤、ロゼ、スパークリング。
ワイナリー公式HP
・Dragonfly Wines
Two Islands同様、南オーストラリア産ブドウを使用した甘口ワインのブランド。
生産するワインは、甘口の白と赤。
ワイナリー公式HP
年3回ブドウを収穫?! Hatten Wines。
ワイナリーデータ覚書き
ブドウ畑:バリ島北部海岸 セリリット〜サンガランギットの間に点在。下記map参照。
土壌:火山性土壌
高度:50m
栽培ブドウ:バリ島固有のマスカット セント ヴァリエをはじめ、アルフォンスラヴァレ、シラーなど10種類の品種を栽培。
生産ワイン:スパークリング(瓶内二次発酵:シャンパーニュと同じ製法)、白、赤、ロゼ、甘口
公式サイトに記載の通り、Hatten Winesのワインはノンヴィンテージ。
*特別な作り方をしない限り、ブドウを収穫した年号をワインのヴィンテージとしてボトルに記載します。
通常ワインを生産する国ではワイン用ブドウは年1回のサイクルで収穫できるもの(というか大体の果物はそうなのでは?)ですが、赤道付近のバリ島では一年中果実が実り、年に3回もの収穫を行っているそう。*下記引用参照
果物って1年に1回しか実らないものだと思ってたけど、年3回収穫かぁ。そんなことが成り立つのか。ワンダフル・インドネシア。
マニアックなひとりごと。
みずみずしくフレッシュな飲み口が魅力のHatten Winesのワインたち。
飲んだことはあったけれど概要をちゃんと知らなかったので、今回改めて公式HPを調べてみました。
が、全体的にあまり細かいことの記載はなく、概ねここまでに書いたものでほとんどという感じ。(ワインはアイテム毎に別途記載あり。)
しかし、ざーっと書いただけでも深掘りしたくなるワードの数々。。
・アルフォンスラヴァレ?マスカット セント ヴァリエ?全然聞き慣れないブドウ品種。特にアルフォンスラヴァレのルーツはどのブドウなのか。
・インドネシアは雨季と乾季がある。ほぼ毎日雨が降る雨季は良いブドウが作れないだろうし、乾季に集中して3回収穫しているのか?樹に実っている期間がとても短くて味の薄いブドウができてしまいそうだけど‥‥
・ワインをノンヴィンテージにしている理由は、年に複数回収穫できることのみなのか?もしかしたら味の安定のために、シャンパーニュを作る時のようにリザーブワイン*を混ぜて味の安定を図っているんだろうか?
醸造家のJames Kalleske氏はシャンパーニュでも修行経験があるとのことだし。
*フランスのシャンパーニュメゾンでは、最新ヴィンテージのワインにそれ以前に作られたワインを複数ブレンドすることが殆どで、このブレンド用のストックワインのことを「リザーブワイン」と呼びます。
冷涼な産地であるシャンパーニュは毎年安定した質のブドウを育てることが難しく、リザーブワインを混ぜることで毎年変わらない品質のシャンパーニュを作っています。
調べられる限りでわかったことについては、順次書いていくつもりです。
でも、このあたりの疑問を解決するにはワイナリーを見に行くのが一番なんだろうな。行ったら行ったで案内係の人を質問攻めにしてしまいそう。
ワインの銘柄ひとつひとつについては、また後日。
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