見出し画像

『世界はラテン語でできている』ラテン語さん

古代言語と思われがちなラテン語が、現代の世界のあちこちで潜在的に生き続けていることを、大量の実例を挙げて説明する本です。

世界史、政治、宗教、科学、そして現代および日本と章分けした分野毎に、ラテン語を源流とする言葉の数々が次々と例示されて行きます。ラテン語の影響が専門分野から日常生活までのあちこちに取り込まれている実態は、思っていた以上でした。

ただ本書は、あくまでもラテン語に由来する用語の例を連ねるに留まっています。ラテン語が英語など各種の欧州言語に組み込まれていること自体はよく知られていることであって、個人的にはそれよりももう一歩踏み込んだ知識を得たかったです。ラテン語そのものの持つ言語的な特性や、どのような経緯で他言語に取り込まれて溶け込んで行ったのか、当時のラテン語から現代ラテン語への変遷、等々。

しかし、その辺りの事情に踏み込むと文法書や歴史書のような専門的なものになってしまい、複雑かつ膨大になりそうなので、読み物としてこの程度に留めておくのが程良いのかも知れません。

[2024/04/10 #読書 #世界はラテン語でできている #ラテン語さん #SBクリエイティブ ]

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?