向き合わないと、眠れないから

悔恨。

こう表現すればいいだろうか。

言葉が見当たらない。言葉が見つからない。どんどんあふれてこぼれ落ちていく感情を、今この瞬間を、どうすればいいのか分からない。

感情がぐちゃぐちゃになる。でも、向き合わないと、まず今日を眠れないから。

明日があるし、というかもう明日だし。飲みたくないけど酒飲まないとやってられないし。逃げる自分も嫌だ。

目次とかで綺麗にまとめる内容じゃないから、いいや。


午前1時46分。


もともと希死念慮がある方だと思う。でも、そこまで大げさな言葉使うのもなんか申し訳ないや。

おかしいって思われるかもしれないけど、昔から、なんで生きているのか分からないし、死にたいこそ思わないけど死なない理由もなかった。

なんとなく思ってはいて、漠然と認識はしていたけれど、それが言語化できるようになったのは浪人時代だ。

受験生にありがちなSNSを全部消す、というものをやっていたので、勉強の隙間時間を全て哲学書と平安〜近代文学に費やした。そこで1年間自分と照らし合わせながら、いろんなことを考えすぎて狂ったのは確実にいえる。なにがどうなったかはもう説明できないけれど、なにもが加速した。

それはそうと、友人に「そんなことすると早死にするよ。」と言われることが多い。それくらい自分に甘く、そして突拍子もなく生きている。

だからか、素の私を知っている人たちからは、なんで煙草吸わないのかよく不思議がられる。引くほど吸ってそう、らしい。

その理由は簡単です。

小さいころから嗅覚が人一倍つよくて。さまざまな匂いに対して、かなり敏感な人間だ。こだわりも強いし、すぐいろんな匂いに気づく。

父が吸っているのは嫌気がするけど、好きな人なら何も感じないみたいな、その人だからいい匂いみたいな、むしろ吸っててよ、みたいな。

けっきょく都合のいい人間ですよ、私は。何言ってるんだろ。

そんな自分の1番好きな匂いは、塩素。小学生のころから、手であおがなきゃ嗅いではいけない塩素を直で嗅ぐことが至高だった。だから漂白剤もプールの消毒もお気に入り。次点で金木犀かな。

それはさておき。

そもそも根明な性格だし、お酒が入ればすぐ調子よくなるし。無鉄砲で、考えるよりも行動タイプのじゃじゃ馬、それでいて天邪鬼。身をおいているのは応援部だし、イメージも、やってるチアだって、もちろんのこと。自我が芽生えたころから目立ちがり屋だし。だからこそ、それが他者への第一印象になる。それは少なからず本当の自分だと思う。

でも、私は弱い。弱すぎる。

高校生のころ、一目惚れで入ったチアリーディング部。頭がよくなかったけど、どうしてもチアがやりたくて高校受験に命を燃やしていた。そんな中学生時代の冬が懐かしいな。

「やめたいなんて1度も思ったことありません。」そう答える人って一定数いる。応援部にもいるし、チア部の同期にもいるんじゃないかな。

私はそれとはめっきり逆で。3年間やめたかった。

やめなかった理由は単純だ。やめたときに自分の居場所を失うのがこわかった。

良くも悪くも、部活動所属率100%を謳う海軍養成旧府立中学であった我が母校では、所属部活で”判断”されることが多かった。多かったというよりも、「その人」である前に「何部か」が先行することが当たり前だった。小さな世界での世の常だ。だから、やめたあとのことを想像するとおそろしかった。「チア部のはなちゃん」でいることに甘えた。

こんな言い方をしているけど、チアリーディングというスポーツの虜になり、毎年大会に出場して緊張の瞬間を幾度も経験して、技の成功を喜び合う瞬間の笑顔が好きで。当時の同期のなかでもまだ唯一チアリーディングを続けていて。至極このスポーツが大好きで。というものもまた事実である。

しかし、幼いとはいえ高校生の私は、居場所をうしなう方が、こわかった。

物事には2面性がある、とよく考えている私だけど、2面どころか3面も4面もあると思う。

私という人間に関しては、本当の自分が何種類もあるように思える。

応援部を本気でやっている自分。今みたいに(次の日朝早いのに目の前の快楽を優先して)どうしようもなく酒を飲んで文章書いて夜を明かす自分。1日中服の組み合わせを考えたりアクセばっかり眺めている自分。映画にふけって泣いてばかりの自分。誰にも連絡返さずスマブラしたり寝てみたりの自分。そうかと思えばタンブリングにジムにランニングにストイックに体を動かしている自分。誰かのひとことで目の前の世界が広がっていくことに幸せを覚える自分。どれもいつも本当の私だし、私なんだよ。

こんな感じで午前2時46分。さっきあけたハイボールを盛大にこぼした。
馬鹿な私は、缶をベッドの上に直置きしていた。そりゃこぼれるわ。新人時代のはじめての夏合宿に持って行きなさいと親が買ってくれた早稲田カラーのえんじ色のタオルで拭いてみた。


話が戻るけど、生きている理由がないから、2年半前の私は、それを強制的に見出すことにした。

ペットである。

しかも私の存在がいないと、生きられないペットだ。

コロナで生活が一変した2020年。そういうわけで、部活がセーブされて時間もできたことも重なり、幼少期に飼っていたハムスターの可愛さを思い出し、飼い始める。(飼い始めるまでの道のりは別のnoteにまとめています。)

全部なにからなにまで私が面倒を見る。そう覚悟して、ゲージから、エサから、個体から、すべて自分でお金を出した。今まではペットといえば家族で飼うことが当たり前だったから、自分でお金を出しだことなんて、1度もなかった。

大学2年生になってはじめて、命を自分の意志で、自分のお金で買った。

もっち。私の愛するもっち。生きる理由のもっち。

溺愛ぶりはどの第3者からみても異常だったと思う。

応援部でも「はなのもっち」に対しては忌引きが許されていた。応援部の人なら、これがどんなことかよりわかるよね。掟破りも超越する愛を体現していたって、かわいく言わせてよ。

「もっちが死んだら私も死ぬ。生きる意味がない。」1度本気でそう言って、母に泣かれたことがある。ごめんなさい。







今の私。
生きる目的がないの。生きる理由を2年半もっちに見出していたの。あっという間の2年半だったよ。

でも、不安定で脆い私には、大きな大きな2年半で。毎日、毎日、なにがあっても、家に帰ればもっちがいて。
私が水をかえて、エサをあげて、ぷにぷにのおなかを顔にくっつけるのが、日課だった。2年半だよ。これが。毎日だよ。

それが、今日から、なくなったの。
私の生きる理由は何。

最高においしいラーメンを毎日のようにすするとか、心ふれられるコンテンツに日々触れるとか、チアリーディングに全身全霊打ち込むとか、学対として早稲田スポーツを、早稲田文化を盛り上げていくとか、いくらでもなんでも言えるし、実際そう生きてきたけれど、そんなの派生に過ぎなくて。

私は弱いから、自分に自信がなくて、絶対的にだれかの役に立っていると、なにもかも思えなくて。

でも自信満々だと思われることばかりで。たしかにそのときばかりはそうかもだけど、実はなにも私は与えられてないんじゃないかって漠然ととらわれていて。平気なふりしてばっか。いつから私は人によりかかって生きるのが苦手になったんだろう。あれ、昔からかな。よりかかった覚えがないや。

人間関係もそう。自分に近い5人がその人を表すって言葉があるけれど、私は人に恵まれすぎている。自分のことを愛してくれるすてきな人たちに囲まれている。

私から誰かに対しては、会いたい理由も、好きなところも、いくらでも言えるの。愛しているよっていえるよ。

でも、私に対してはなにもわからないの。自分で自分の魅力なんて外面用に自信満々に語ることはできるよ。でも本当は、なんで私に懇意にしてくれるんだろうって不思議なの。ずっとそうなの。みんなのことが大好きだから、余計わからないの。

弱くて、弱くて、自信もなくて、結局泣いてばかりいて、生きる理由も傲慢なことも言えなくて、愛するハムスターを育て愛することが私の生きる源だったの。


気づいたら午前3時08分。


音信不通になりたいよ。でも、明日があるから。

音信不通になるのは簡単だけど。自分をコントロールできませんって自己紹介しているようなものだし。人に迷惑かけてそれでおわりのフェーズじゃないんだもう。情けないが勝っちゃって、よけい自分がきらいになる。自己嫌悪を重ねたくない。

他人に迷惑かけられないよ。ハーフタイム演技、私が行かないわけにはいかないんだよ。誰かの想いを踏み躙りたくない。絶対的な責任からは逃れられない。チアは、かえがきかないから。

こんなんでトップで、エースはってます。なんて情けないよ。だから行かなきゃ。生きなきゃ。

自分に負けているって感じることばかり。

でも、今の私も全部私。

わかった上で、生きていくの。



もっち。
私と出会ってくれて、たくさんの幸せと生きる目的を与えてくれてありがとう。一方的な愛だったかもしれないけど、確かに、愛していた。人生ではじめて、命を愛して育てた。誰かにとっては1匹のハムスターかもしれないけれど、私の人生のすべてだった。全うさせてあげられなくてごめんね。今日のことは一生忘れられないし一生後を引くんだと思う。

これも抱いて、感情に向き合って、生きていく。すこしでも強くなってもっちにがんばってるよっていいたい。

この数か月は、大学生になって3年間の涙の量と同等がそれ以上に泣いてばかりだ。きっと思い出して明日も泣くし。同期にも迷惑かけるの。

生きてほしかった。生きさせてあげたかった。






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