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女子高生風おじいちゃんの怪文書

私は幽霊?との遭遇話をいくつか投稿させてもらっているのですが、やっぱり生きている人間が1番怖いなと思った出来事を投稿します(笑)

私が大学生の時、当時は親と静かな住宅街の近くのマンションに住んでいました。
サークルに所属していた私は週3日ほど飲み会に参加していたのですが、終電で寝過ごしてしまって夜中にタクシーで帰宅することもありました。

大学3年生の夏、飲み会に参加してまた寝過ごしてしまい夜中の2時に帰宅したところ、親にこっぴどく怒られて…
次の日も飲み会があったのですが、怒られないように夜の8時には帰宅しました。

そのマンションはエントランスにオートロック、だいたい200戸分の郵便ポスト、宅配ボックスがありました。
マンションの外からはガラス越しにオートロックのところは見えるのですが、郵便ポストと宅配ボックスのところは見えません。

そして、ほろ酔いで帰宅した私はオートロックの前まで行き、鞄をゴソゴソしながら鍵を探していました。
ふと視界にセーラー服を着た人が入ったので、顔を上げてみました。

郵便ポストと宅配ボックスのところで、セーラー服を着て少し腰の曲がったガニ股の女子高生がウロウロ…
その手には新聞紙や紙などがパンパンに詰められたビニール袋を4つほど持っていました。

「マンションの子かなぁ」と思い何気なくジッと見つめていると…

セーラー服を着たその人は、ガリガリに痩せたおじいちゃんだったのです。
黒髪で三つ編みを結ったバレバレのウィッグをかぶっていました。
そして、持っているビニール袋から紙を取り出すとポストの中に押し込んで、ドシドシと歩きながらマンションを出ていきました。

「変態だ!」と思った私は急いでオートロックを開けて部屋に入ったので、母がその私の慌てっぷりに驚いていて、さっき見たセーラー服おじいちゃんの話をしました。

それから1週間ほど経ち、特に母以外の人にそのセーラー服おじいちゃんの話をしなかったのですが…
マンションの管理会社からあるお知らせが全戸に配られました。
【居住者の郵便ポストに奇妙な手紙が入っていたのでお心あたりのある方は管理会社までお知らせください】
このお知らせとその奇妙な手紙のコピーがセットでした。

そのお知らせを受け取った母が「もしかしてあのセーラー服おじいちゃんのことかもしれない!」と思ったそうで、私を連れて管理会社まで行きました。

そして、私の話を聞いた管理会社の方と防犯カメラの映像をチェックすることにしました。

私が帰宅する10分前くらいに、エントランスのガラスのドアを勢いよく開けるセーラー服おじいちゃんが映っていました。
オートロックの前をあの腰の曲がったガニ股歩きでウロウロ…

「これか…」と管理会社の人の引きつった顔。

そのセーラー服おじいちゃんはしばらくオートロックの前をウロウロしてから、郵便ポストの方に来ました。
そこでもしばらくウロウロしてから、郵便ポストに顔を近づけて中を覗いている様子でした。

すると、ほろ酔いで帰宅した私が!
セーラー服おじいちゃんが私の方を見ている様子でした。
あの時私は気づきませんでしたが、私のことを見ていたのだと思うと何だか気持ち悪いですね。
それから持っていたビニール袋から紙を取り出すと、近くの郵便ポストにギュウギュウと押し込んで、ドシドシガニ股歩きでマンションを出ていきました。

なかなかの衝撃映像でしたが、すぐに管理会社はセーラー服おじいちゃんのことを全戸に知らせ、その存在が多くの住民に知れ渡りました。
しかし、それからはセーラー服おじいちゃんの訪問はなく、特に大きなトラブルは起きませんでした。

少し日にちが経ち、ふと思い出したので母に聞いてみることにしました。
「そう言えば、あのセーラー服おじいちゃんがポストに入れていった手紙ってどんなだったの?」
私はセーラー服おじいちゃんの第1発見者だったものの、その人が郵便ポストに入れた手紙を見ていないことに気づきました。

「怖くて見せられなかった」と母が言っていたのですが、その手紙のコピーを見せてもらうことに…
白のB5用紙に赤いペンで【お前達は地獄に落ちる殺す殺す殺す殺す……】と小さい小さい文字でびっっっっちりと書かれていました。

あのセーラー服おじいちゃんが誰だったのかは今でも分かっていません。
ただ、あの手紙がポストに入っていた居住者は本当に本当に気持ち悪く怖い思いをしたのには間違いありません。







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