ソプラノ 星新一みたいなショートショート
ディー氏は多忙だった。企業でコンピュータ制御システムの研究をしており、夜遅くまで研究をして日の出前には出社するなんてこともざらだった。仕事から家に帰るとヘトヘトですぐに寝てしまい、朝シャワーを浴びて急いで会社に行く。こんな日々の繰り返しで料理は一切せず、食事は外食するか調理済みのものを買って済ませるかで、部屋も散らかり放題、洗濯なんかは面倒で仕方がなかった。ディー氏もこのままではまずいと考えており、自分の代わりに家事や雑務をしてくれるヘルパーを雇おうか考えているところだった。