人は自分と同じような状況の人を見ると安心する
私が婚活に苦戦していた頃、同じく婚活で苦戦している人のブログを読んだり、周りで婚活している人と愚痴を言い傷をなめ合ったりしていたことがある。
当時はその状況にいることで「苦しいのは自分だけじゃない、他の人も頑張ってるんだ」と励みになっているように感じたものだったが・・・ある時ふと思った。
たしかに共感はできるが・・・
私が婚活しているのはなぜだろう?
結婚したいから、婚活しているのではなかったか?
なのに、結婚できないことを嘆き合って共感し、同類がいることに安心感すら覚えているのはなぜだろう?
そこで私は思い出した。
30代前半の頃、彼氏がいない者同士で合コンを繰り返していた時のことを。
あの頃はまだ「婚活」というほどではなく、漠然と「彼氏がほしい」「あわよくばそのまま結婚までたどりつきたい」という人達の集まりだった。
合コンのメンバーは広がりを見せ、参加者の友達、そのまた友達・・・とネットワークは広がっていった。
当然全員、彼氏がいない人だ。
しかし、合コンを繰り返すも誰一人として彼氏ができない。
合コンの後は、女子同士で「反省会」と称した愚痴大会を繰り広げたものだった。
当時はそれが楽しくもあったが・・・今考えると、そんなことしているから誰も彼氏ができなかったのではないかとも思う。
なぜなら、誰一人として「彼氏ができるためには」という方向を向かず、「彼氏ができない」「恋愛がうまくいかない」という方向ばかりを見て、それに対してあーだこーだ好き勝手に言っていただけだからだ。
30代後半で婚活を始めてからも同じで、同時期に婚活している仲間と慰め合ったり婚活の愚痴をはいてストレス発散していた。
そこには、婚活をうまくいかせるための、成功するための、ビジョンはなかった。
つまり、同じ境遇の仲間しかいなく成功例もないし、成功に向けての具体的な対策もなかったのである。
これを仕事で例えると、問題を抱える現状に対してなんの改善策も見いだせない「形ばかりの会議」に似ている。
サラリーマンをしていると、「一体今の会議の時間は何だったんだ・・・」という生産性のない会議に出会うことがある。
婚活がうまくいかないことに対し、具体的な対策もなく、ただただ現状を憂うだけの私たちの状況もこれと同じように思えた。
その後ついに、合コン仲間の中から、彼氏ができて結婚した人が現れた!
彼女の体験談によれば、同じく彼氏を探していた同僚が良い出会いがあってすんなりと結婚したという報告を聞き、根掘り葉掘り本人にインタビューしたというのだ。
そして、自分もそのように行動してみたらしい。
近しい人の成功体験を知ることで、その人のマインドを真似したのだ。
彼女には「絶対彼氏を見つけて結婚する!」という並々ならぬ強い願いと決意があった。
それゆえ、目的のために積極的に行動するし、成功者のマインドを取り入れ実践したのだ。
その様子を見た私も、同類との傷のなめ合いでぬるま湯に浸かっていてはいけない!と思い直し、彼女に続け!とばかりに行動した。
すると、彼氏ができたのだ。(後に別れてしまったが)
それを見たまた別の合コン仲間が、「自分も!」と行動を始めた。
彼女は迷うことなく戦場を合コンから結婚相談所へ切り替え、そこで出会った人と入会から1年以内に結婚した。
その様子を見ていたまた別の合コン仲間は焦ったものの、「大丈夫!まだ自分には仲間がいる」と謎の余裕をかましていた。
その余裕の理由は・・・彼女には不倫をしている未婚の友人が数人いた。
彼女自身も過去に長らく不倫をしていたそうだ。
不倫だから、一般的な付き合いよりも相手と結婚できない可能性が高い。
だから、「この人たちはまだ結婚できないから安心・・・未婚仲間がいる!」という安心感につながったらしい。
この一連のことから、同じような状況の人に共感することで安心してしまいそこから抜け出せないという呪縛のようなものを感じた私だった。
ちなみに・・・先が見えない不倫をしている彼女たちも、それを見て「まだ未婚の仲間がいる!」と安心していた彼女も・・・それから10年以上経った今、まだ誰も結婚していない。