「ヴィレッジ」(劇場)感想。

「ヴィレッジ」(劇場)感想。
(2023-04-22 TOHOシネマズ西宮OS・スクリーン3)

 藤井道人監督、横浜流星主演の「ヴィレッジ」を観てみました。

 いやー、キツかった!本当にキツかったw

先日観た「ザ・サン」が本当にキツくて「今年はもうこれを超えるキツい映画はないだろう」と思ってたらそれを超えやがった。

本編前に流れる邦画の予告編を観てて「邦画って暗くてキツいの多いよな。あんま観たくないよな」とか思ってたら冗談じゃないw それ以上に凄い、超特級の呪物みたいなのその直後に観ちゃったよ。凄い脚本だわ。

 予告編ではどうも因習の深い田舎の村を舞台に、そこで起こる謎の出来事に巻き込まれる主人公か、それを暴く話なんだろうか?とかよく内容が分からないまま観ました。

ただ藤井道人監督は「新聞記者」は全く駄目な作品だったけど、それ以降は脚本や演出、映像などどれも素晴らしくて、なおかつ主演の横浜流星くんが男前で好きなので「これは観ないと!」と思って内容良くわからないまま観たわけです。

 内容に関し言うと、実は観る前に思っていた「閉鎖された村の深い因習に外部から来た人間が巻き込まれる・それを暴く」ってパターンではなく、その村に住んでいた主人公が、過去に父親が犯した事件で村人から冷たい目で見られながら村の中に作られたゴミ処理場で働くって話でした。

これだけでも村の因習や村八分的な雰囲気、市長の息子でゴミ処理場の作業員の上に位置する男に蔑まれ暴言をはかれ、母親はアル中でパチンコにハマっている様子など、観ているだけでも胃が痛くキツい内容だった上に、それが最初の設定でしかなく、そこから更に物語が次々に嫌な方向に進んでいくキツさがたまりませんでした(褒め言葉w)。

市長を演じる古田新太が今までとは違っておとなしいキャラだなぁと思っていたら、最後の最後でガツン!と頭を殴られたw
「いや、いもの古田新太だわ」とw

 物語的には最後に二転三転して「ああ、こうなるんだろうな」とか言う予想通りに行ったと思ったら変転し、さらに転化して「どうなるんだ?」と先の読めない後半となって非常に面白かったです。

にしても、これだけ次々に嫌な話しを繰り出す脚本は見事過ぎて、監督自身が書いた脚本は過去に観た監督作全ての中で最高だったのでは無いかな?と思います。

ただ、僕のように「横浜流星くん格好良いなぁ」(と思ったのは、僕の場合は観に行った理由の半分ですがw)と軽い気持ちで観に行ったらドンヨリした気分で映画館を後にすることになるので、精神的にキツい映画が苦手な人には全くお勧めしません。

逆に、アニメ「ひぐらしのなく頃に」が好きな人だったら(設定は全く別だけど)あの残虐性と精神的キツさが似てる部分を感じたので、合うかも知れませんからあのアニメが好きな人は観て欲しいですね。

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