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グルメサイト運用コンサルが語る、グルメサイトで外さない飲食店の選び方


GoToEatをきっかけに今まで行きたいけど行けてなかったお店や始めて行くお店なども増えていることかと思います。そうした中で楽しみにしていたのに期待外れだった。という経験をしたことがある人は多いんじゃないでしょうか?

先日とあるZoomで「こにたんさんの予約する店はハズレがないですよね」という言葉をもらいました。たしかにリアルの知り合いからも僕が予約した店は比較的満足度が高いと言ってもらえることが多いなと思い、今回のテーマを「グルメサイトで外さない飲食店の選び方」にしてみました。

仕事で長年グルメサイトの運用コンサルとして様々な飲食店の広告を管理、運用してきました。そんな僕が1人の消費者としてどこに注意し、どんな視点でお店を選んでいるのかをご紹介します。今回に関してはお店の平均単価が3,000円~8,000円程のお店を選ぶ際のポイントを中心にしています。楽しみにしている外食が嫌な思い出にならないように今後のお店選びに少しでもお役に立てて貰えたら光栄です。

※前提としてグルメサイトでお店を探す時のポイントです

ハズレのお店とはどんなお店?

先ずはじめにどんなお店が"ハズレ"だと感じるのでしょうか。
①ご飯が不味い
②不衛生
③接客が悪い

細かく上げるとまだまだありそうですが上記3つの意見が多いのではないでしょうか。①~③を詳しく見ていきましょう。

【①ご飯が不味い】
→味覚の好みは多種多様である人に美味しく感じるものはある人にとってはそうじゃないかもしれません。ここでいう「不味い」とは大半の人が「食べられない」と思うレベルを想像してください。どうでしょうか?あなたが思いつく限りこれまでの経験上外食して好き嫌いは別として「食べられないほど」の不味いご飯が出てきたことはあまりないんじゃないのでしょうか?
日本は世界の中でも外食産業のレベルが高いと言われており、多くの訪日外国人の日本を楽しむ一つの要素として「食」があると言われています。
そういった意味では今回のテーマである「ハズレのお店」の中でご飯が不味くてハズレと感じる人は少ないのではないでしょうか。よって「味」に関しては実際自分で食べてみないと分からないのでお店探しの段階ではそこまで気にしません。強いていうなら焼肉を探していれば「焼肉」というワードで検索するのが一般的だと思いますが多くのグルメサイトではジャンル設定を複数行うことができ流入(PV)を増やす為に肉バルメインのお店でも「焼肉」検索で引っかかってきたりするので注意が必要です。

【②不衛生】
→率直に汚いお店は嫌ですよね。外食産業では保健所が食品衛生監視指導という「飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止する」ための計画・体制や検査・指導などを厳しく実施しています。飲食店のお話を聞いても食中毒を含めた食の安全には皆さん細心の注意を払っていることが伝わってきます。また、「QSC」という言葉があります。業界の方ならご存知の方も多いかもしれません。こちらの言葉はマクドナルド創業者レイクロックがチェーン店を運営する上で最も重視した言葉です。クオリティー=Qualityサービス=Serviceクレンリネス=Cleanlinessの頭文字をとって作られています。
Cleanlinessと似た言葉でCleanness(クリーンネス)があります。簡単に違いを説明するとCleanliness(クレンリネス)=「清潔で、快適な状態」をあらわす言葉で、Cleanness(クリーンネス)=掃いたり拭いたりなど きれいにするための行為や作業を指す言葉です。
不衛生かどうか行ったことの無いお店でグルメサイトから見分けるのはとても困難ですがここで僕が重視するのは「口コミ」です。
美味しいか美味しくないかは①でも挙げたように個人の味覚は様々なのであまり参考にならない一方綺麗、汚いの物差しは味覚程人によってバラツキはありません。(全く無いわけではありませんが)ですので、口コミで衛生面を指摘されている場合は予約するお店の候補から外します。

また、余談ですが実際お店に行った時必ず見るポイントはエアコンです。テーブルやトイレなどお客さんの目につく箇所は殆どのお店で綺麗に清掃されています。(トイレなんかは特に気にしているお店は多くトイレが汚いとそれだけでアウトという人も多数います)床なども定期的に業者を入れクリーニングしているお店が多い為、僕はお店が油断(?)しているであろうエアコンを見るようにしています。エアコンは目に付きづらい為クリーニングの頻度が床ほど高くないお店もある(別料金が発生する)ので、エアコンが綺麗なお店は衛生面への意識が高いと想像できます。

【③接客が悪い】
皆さん接客が悪いと聞いてどんなお店を想像しましたか?今回「接客が悪い」を少し細かく見ていきましょう。

・料理、ドリンクの提供が遅い
→席に案内されたのに一向に水やおしぼりを持ってこない。注文を取りにこない。特に席に呼び出しベルがなく店内が広い場合大声を張り上げて店員さんを呼ばないといけなかったり、店内がざわざわしていて中々声を出しても気付いて貰えないケースなどは経験したことある人も多いんのではないでしょうか?

配慮のない接客
→例えば店内が空いているにも関わらず窓側の席から詰めるように席へ案内していくお店がたまにあります。たしかに接客するには都合がいいですし、お店のマニュアルとして窓側の席から埋めるというのはあるかもしれませんが空いている場合配慮してくれてもいいのになぁと感じる人は少なくないと思います。

・感じの悪い接客
→料理のオーダーを取りにきた店員さんが無愛想だったり、料理を運んできてくれた店員さんが無愛想なケースは意外と多い。折角美味しい料理を食べていてもそんな接客をされたら台無しですよね。

・店員同士が見せる所でペチャクチャ話している
→本人達からすれば暇だから少し話しているだけなのかもしれませんがお客さん側から見た時に決して気持ちの良いものじゃないですよね。

以上が接待が悪いと感じるときの主な事柄ではないでしょうか。単価が高いお店は味は勿論ですがこの接客の部分が段違いに素晴らしいお店が多いと感じます。勿論単価3,000円~5,000円くらいのお店でも接客が素晴らしいお店もあるのですが上記で挙げたようにハズレと思われるような接客のお店も存在します。

ここで重要なのは接客も行ってみないと分からないという点ですが実はある程度絞ることが出来ます。(完璧に見分けることは出来ないですが接客が悪いお店に当たる確率を減らすことは出来ます)

各グルメサイトの特徴とターゲット層

グルメサイトもそれぞれのサイトによりターゲットが想定されており、よりターゲット層の消費者に使いやすい仕様や仕組みとなっています。
また掲載するお店も自店舗のターゲット層に合わせてグルメサイトを選ぶケースもあるので利用シーンに合わせてグルメサイトを変えることも一つの手です。(全てのグルメサイトに多額の広告料を払いどのサイトを見ても上位表示されているお店もある為一概には言えませんが)ここでは各グルメサイトの特徴とターゲット層を見ていきましょう。

食べログ

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2005年にサービスを開始した、国内グルメサイトの代表格である「食べログ」、2020年3月時点での月間利用者数は約1億647万人、掲載店舗数は同時点で約90万店となっており、規模・ユーザー数の面で大きな存在感を誇る。
ユーザー層は多岐に渡るが特徴としてはグルメに拘りが強い人やアッパー層が多い。お店も高単価のお店や拘りの強いお店のPVやCVが伸びやすくチェーン店は効果が出ない。そういった広告の効果面から見ても食べログの利用者層は拘りを持ってお店を探していることが考えられる。また、グルメサイトの中でも当初から口コミを強みとしてきたサイトなので新規のお店を探す際は口コミや点数を判断材料にしやすい。
また、一部では食べログの点数は広告料を支払えば上げることが出来るのであてにならないという噂がありますが、事実無根です。ただ点数は口コミや口コミ投稿時の点数から食べログ内のアルゴリズムに従って決まっているので別の方法で対策しているお店はありますが、必ずしもそれだけで点数が上がることはありません。

ぐるなび

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日本のグルメサイト業界を引っ張ってきたパイオニアサイト「ぐるなび」
会員数約1,885万人、月間利用者数約5,600万人、登録店舗数約約50万店 ※有料店舗59,173店。最近は楽天との資本業務提携により楽天ポイントが貯まる、使えるようになり利用者が増加しているイメージ(お店から見た広告効果もここ二年上昇傾向)また、積極的に外部サービスとの連携を進めており訪日外国人対策の一環としてトリップアドバイザーとも相互連携。
サイトの特徴としてはシンプルで「宴会」需要に強いグルメサイトです。大人数での宴会でお店を探すときは僕もぐるなびを見るほど宴会出来るお店が探しやすい。また、Googleの検索でも「宴会」ワードでは上位出てくることも多い。一方で料金プラン的に大型店舗で広告費を高く払えるお店が上位に固まりやすいので「質」にフォーカスしたお店選びは難しい印象です。


ホットペッパーグルメ

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リクルートが展開するグルメサイト、会員数約約8000万人、月間利用者数約約4,500万人、登録店舗数約約約76万店 。関連する他サービス(ポンパレモールやホットペッパービューティーなど)もある為圧倒的な会員数を誇るサイト。Pontaポイントが使えて貯まり、貯まったポイントの食事券への適用、豊富なクーポンなどが利用可能である点などから、流行に敏感な20代女性を中心に高い支持を集めているサイトです。実際に飲食店側から見た際に食べログ、ぐるなびからのお客さんよりも平均単価が低い傾向にあります。

その他のグルメサイトではRettyやヒトサラ、一休.comなどが存在します。
個人的には一休.comは面白いと思います。先ず全ての飲食店が掲載出来るわけではなく審査があるので掲載店舗に関して一定の質が担保されています。
安い居酒屋などは掲載していないのでデート使いや記念日使いなどで活用出来るかと思います。

どのグルメサイトを使うか?

それぞれのグルメサイトにはターゲット層が設定されており、ターゲット層に合わせてUIやページ構成が考えられています。そうしたことから一番良いのは利用シーンに合わせて使うことになるのですが、今回のテーマである「外さない飲食店の探し方」を中心に考えた場合食べログをメインに使うのがベストだと考えています。

ぐるなびはサイトの特徴でも記載したように宴会がメインのサイトになりますので掲載店舗で検索ページの上位に来るお店には席数が多い大型店舗が多い為料理メインのお店が探し辛いという点があげられます。(宴会場所を探す際はとても便利なサイトです)
また、ホットペッパーグルメは女性ユーザーが多いこと、豊富なクーポンが売りなサイトでぐるなびと同様大型店舗が多いのと、女性受けするダイニングバーなど空間押しのお店が多い為。(ホットペッパーグルメではダイニングバーなどの空間押しの店舗は効果が出やすい)

グルメサイトのページでどこをチェックする?

何度もお伝えしますが、今回のテーマはハズレのお店を選ぶ可能性を低くするグルメサイトの見方です。具体的にどのような部分を見て選ぶことでハズレの可能性が低くなるのかを詳しく見ていきましょう。

【候補から外すお店】
・席数
→100席以上のお店

・平均単価
→飲み放題付2,500円や3,000円などの安さ売りのお店なのに広告の文章や写真などに「黒毛和牛」など高級食材を思わせる打ちだしをしているお店

・お店のジャンル以外なのに流行りのメニューをゴリ押ししているお店
→居酒屋なのにチーズフォンデュや肉バル風メニューを推している店は多くの場合コスパが悪いか品質が悪い

・個室推しがメインのお店
→個室推しがメインの場合他に強みがない場合が多く、あっても個室×安さを売りにしているケースが殆どなので料理、接客の点で平均以下のお店が多い。

・創作料理推しで低単価のお店
→何が売りなのかわからないお店。魚も肉もイタリアンもありますというようなお店は全てにおいて平均以下且つ料金も相場以上の所が多い。


ハズレか当たりかは予約する人間、来店する人間の期待値とお店が提供出来る価値の相違によって起こるものです。使用用途によって使うグルメサイトやお店を選ぶポイントを変えることが重要です。私は、外食に求めることとして非日常感円滑なコミュニケーションを重視しています。その為味よりも粗悪な接客の店だけは絶対に避けたいと思いお店を選んでいます。(何度も書いているように味は個人差があるのと大きな差はないので)

折角の美味しい料理も接客一つで気分が悪くなり「不味い」「ここにしなきゃよかった」という負の感情になります。そして残念ながら飲食店には接客を重視しないお店も少なからず存在します。それらのお店の多くが上記で挙げた候補から外すお店に多いと感じています。


日本の飲食店のレベルは世界的に見ても高い為、消費者の求めるレベルも必然的に高い。多くの方は飲食店を見るとき無意識に「減点方式」で見ていると思います。レベルが高いからこそ期待する。期待するからこそ「ここまでは出来ていて当たり前」というラインが高くなり出来ていて当たり前、出来なければ減点という受け取り方をしてしまいます。グルメサイトに掲載されているお店でもターゲットや志向は様々なのでしっかりと見極める意識を持ち活用することでハズレのお店を選ぶ確率は減ります。

最後に、気になっている方も多い食べログの点数問題について…
食べログの点数はお店が食べログにお金を払えば上がるという噂が時折世間を騒がせますがその事実は存在しません。ただし…食べログの点数にもアルゴリズムが存在する為、点数を上げる方法はあります。詳しくは省きますがブロガーに口コミを依頼し高評価をつけてもらう。といった手法は存在しています。しかし口コミを書いたからといって点数が必ず上がるものではなく、よく飲食店側でも店員さんが自分のお店に口コミを書いていたり、知人に口コミをお願いしたりするケースもあるのですがこれは無駄です。
なので安易にサクラ行為が出来るものではなくどの店も気軽に点数を上げることは出来ないのです。そういった点から見ても食べログの点数はある一定の質を担保してくれているものだと考えて良さそうです。

ちなみに、食べログの点数に関する特徴として、
・コスパの良いお店は点数が高くなる傾向
・高単価のお店は点数が高い傾向
・ラーメンジャンルは点数が高い傾向の為☆3.5が基準
・居酒屋は点数が上がりづらい

この辺りを意識しながらグルメサイトを見るとまた違った見え方になるのではないでしょうか?快適な外食にする為にお店選びの注意点をまとめさせていただきました。ここまで読んでくださりありがとうございました。

まとめ
・料理の味は人それぞれの為口コミサイトだけでは判断が出来ない。
・日本の外食産業はレベルが高い為大きな味のハズレは無い。
・衛生面は人により判断軸の幅が少ない為口コミが信頼出来る。
・接客が悪いお店を見分ける完璧な方法はないが、確率を減らすことは出来る。
・利用目的によって見るポイントを変えること。



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