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#001『関心領域』 ホラー映画より怖い
こんにちは
タチカワシネマクラブ 副部長のいとやんです
架空のクラブで部長はいません
映画の町 東京都立川市にある3つの映画館(館は4つあります)で上映中の映画を週に1回紹介します!
第一回目の映画は
シネマシティシネマ1で上映中の「関心領域」
映画の予告を見た時からこれは観ようと決めていた映画
予告である程度の知識があったので、この映画がいつの時代で舞台はどこかは知っていましたが、前知識なしで観るとしばらく何を見せられているのか…と思うと思います。
裕福なドイツ人家族のひと夏から始まります。
固定カメラの映像がある一家をのぞき見しているような感覚になります。
家族の楽しそうな会話や子どものたちの楽しそうに遊ぶ声、赤ちゃんの泣き叫ぶ声の先で聞こえる銃声、電車の音、怒鳴り声、叫び声。
ただこの奥で聞こえる声には訳が付かない。ドイツ人家族は全く動じず、日常なのか反応を示さない。 でもその銃声は叫び声は深夜にも聞こえる。明らかにおかしい。
遊びに来たお母さんも初めは素敵な環境にリラックスして楽しんでいるけれど、しばらくすると夜中も聞こえる音、もくもくと上がる煙、恐らくひどい悪臭もしたはず...に嫌気がさし何も言わずに家を出る。
しばらくすると
「アウシュビッツ収容所」というワードが出てきて、高い塀の向こうは第二次世界大戦中のポーランド アウシュヴィッツ収容所だと分かる。
ドイツ人家族のご主人 ルドルフは実在した人物で収容所の所長。
彼はこの塀の向こうで何が行われているか分かっているので、家族との食事、パーティーのシーンでもどこか楽しんでいない、暗い表情。
反対に奥様の方は旦那の仕事にも、塀の向こうの音にも無関心。
手にした憧れの家、プール付きの広くて花がいっぱいの庭、恵まれた環境に満足している。
ここを離れたいルドルフとこの幸せを手放したくない奥様
ある日昇進が決まって、アウシュヴィッツの任務を解かれることになったルドルフに対して、怒りをあらわにする奥様。
「私と子どもたちはここに残ります!一人で行って」
その時のルドルフの哀しい顔、まさか、なぜ…
もう一つの物語
がサーモグラフィーの映像で始まる。初めは何をしているのか分からなかった。 スコップがささるこんもりと盛られた土にリンゴを何個も入れている??
実はこの少女も実在した人物で、迫害を受けていたユダヤ人に食べ物をこっそり渡していたそう。
何度も出てくるきれいにするシーン
奥様が毛皮のポケットから見つけた口紅を一旦は口に付けるものの、汚らわしいものを綺麗に取り去るように拭き取るシーン
川で遊んでいた子どもの体を神経質に洗うシーン
ルドルフが下半身を洗うシーン
現在の観光地となったアウシュヴィッツ収容所の掃除のシーン
他にもブーツの底を当たったり、床にこぼれた液体を拭かせるシーン
穢れを洗い流しているのか? 罪を洗い流しているのか?
テレビドラマ「北の国から」で清掃員の仕事をしている純君が匂いが残らないように念入りに手を洗うシーンを思い出した。
なぜf スタジオなのか?
極上音響上映
音にこだわる必要があるのか?
映画では塀の中のシーンはなく、中で行われていることは音でしか知ることはできない。 想像力の世界。悲劇を音で描いている映画なのです。
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