見出し画像

(過疎集落の)地域イベント・お祭りのスタッフアンケートの作り方と実践

(過疎集落の)地域イベント・お祭りを続けていくためには、来客者の満足度以外にも、スタッフの満足度も維持していく必要があります。

いくら来客者に満足して頂いても、スタッフが大変な思いになるのであれば、なかなか地域イベントを続けていくことはできません。

そこで今回は、地域イベントを続けていくためのスタッフアンケートの作り方を考え、実際に実践してみた結果をお伝えします。

(イベント概要)寒川ワンダフルナイト2023

今回実施した地域イベントは、寒川ワンダフルナイト2023(2023/6/4(日)開催)です。水害で壊滅したホタルを復活を願い、竹キャンドルとホタル観賞を楽しむイベントです。コロナの影響もあり、前回2019年に開催して以来、4年ぶりの開催となりました。

(目的)何を調べるためにアンケートを取るのか話し合う

イベント開催前、地域イベント継続するためにはどうすればいいか話合っていました。そこでは、主にスタッフへの負担が課題として挙がりました。

人口減少の中で、漠然と従来規模のイベントを続けていくのではなく、スタッフも満足できるお祭りの形を探りたい。そんな思いの中で、従来2019年までに行っていた昼・夜のイベントではなく、夜のみの小規模開催となったのでした。

そこで、スタッフアンケートでは、『(小規模開催した)イベント当日への意見』『(来年のイベント開催にあたり)規模についての意見』を集めることになりました。

(設計)アンケートの内容を考える

記名でなく匿名にする

記名式にすれば、具体的な課題が出てきた際、当人に意見を求めることができるため便利です。例えば、「○○は止めたほうが良い」という意見に対して、なぜ止めた方がいいのか直接聞くことができます。

ただ、記名式で周りを気にした意見になったり、思っていても書けない人がいることがわかりました。アンケートといえばやはり匿名ですかね…

そこで、今回は匿名(性別・年代のみ記入)にして、自由な意見を書いてもらうことを重視しました。

アンケート回答者の情報(性別・年代)

WEB回答(Googleフォーム)を可能にする

ベースは紙アンケートにしながら、WEB回答(Googleフォーム)で回答できるようにしました。

WEBアンケートの案内(QRコードはダミーです)

紙アンケートの場合は、書き起こし作業が必要ですが、Googleフォームなら直接グラフ化・数値化できるし、スプレッドシートで出力できるので便利です。また、紙を配れなかった方にも、LINE等でお知らせできるのが便利でした。

ただ、やはり手元に紙アンケートがあるため、WEB回答を増やすためには、別途、啓蒙活動が必要になりそうです。今回は、3人に1人がWEB回答してくれました。WEBアンケート1年目としてはまずまずでしょうか。

自由記述欄の設計

従来のアンケートでは、自由記述欄が、貴重な意見を得やすい重要な項目でした。ただ、漠然と最後に自由記述欄を置くと回答する側も何について書いていいか分かりません。

そこで、今回議論したい『(小規模開催した)イベント当日への意見』『(来年のイベント開催にあたり)規模についての意見』の各項目の最後に自由記述欄を設けることにしました。

イベント当日について
来年のイベント開催について

これで、回答者は迷わず、イベント当日への意見・規模についての意見を範囲内で自由に記述することができます。

例えば、新しいイベントを追加した場合は、「イベント当日の意見」だけでなく、新イベントの自由記述欄を設けるなども可能ですね。新しくチャレンジした点を中心に、自由記述欄を設ける設計にすると良さそうです。

余談ですが、紙アンケートはCanvaで作成しました。

(実践)スタッフアンケートを実施して分かったこと

イベント開催前の住民アンケートでは、夜のみ開催6割と多数意見であったものの、従来規模(昼+夜)を支持していた人も4割ほどいました。やはり従来のお祭りも捨てがたい所があったわけです。

今回、実際にやってみた結果、スタッフアンケートでは、来年度の規模について尋ねたところ、なんと夜のみ開催9割超の支持が得られました。

今回の小規模開催にあたり、(実行委員会で議論してきた)なぜ夜のみにするのか?という問いに対して、広報紙などを作り、丁寧に住民に説明してきました。

その結果、従来よりもスタッフの負担を減らしながらも、お祭りはやっぱり続けていきたいという意見が多くなったと感じました。実行委員会で話し合ってきた議論と、スタッフアンケートの結果が一致したのでとても嬉しく思っています。

他にも細かな課題はたくさん集まりましたが、ネガティブな意見は少なく、負担を感じるコメントが減っており、スタッフの満足度は上がっていると感じました。

まとめ

過疎化が進む集落の地域イベント・お祭りの方向性を決めるために、スタッフアンケートを設計し、実践してきました。

当初想定していたよりも、スタッフの満足度が上がり、お祭りを継続できる方向性を見いだせたのでスタッフアンケートを実施してよかったなあと感じました。

アンケートを設計する際、あまり参考になる情報を見つけられなかったので、本noteが他地域イベントの開催の際などに参考になれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?