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ICT経営に求められる『人間の力』を考えたい

弊社は従来のアジアビジネスサポート事業の領域を拡大し、今後はアフリカをカバーした「エマージング・グローバル・エリア(EGA)」に対するサポートサービスを開始します。
まず、弊社もウガンダ、ルワンダ両国に農業、IT開発の拠点設立を進める予定です。
そこから現地の生の情報を入手し、皆さまにお届けしていきたいと考えています。

さて、新興国(エマージング・エリア)における事業推進を支援しているとさまざまな気づきを得られます。先月、アフリカ・ウガンダの視察の際に、現地でタクシー配車サービス「ウーバー」が進出予定であることを聞きました。ICTの活用すら「?」と思っていたアフリカ大陸ですが、私の想像を超えるスピードで産業革命は進んでいるのです。
さらに、ウガンダの隣国・ルワンダが国家事業としてIT立国を目標にさまざまなインフラ整備を進めていることも知ることができました。創業以来、アジアを中心に活動してきた私たちですが、このアフリカの動きには驚かされます。しかし、アジアの20年前を考えてみると、今のアフリカの方が
より先進的に映るのかもしれません。それほど、全世界的に産業構造の変化が進み、特にICTの普及は新興国においても急激に進んでいるからでしょう。
私がセミナーの際に皆さまにお伝えしている「水牛とスマートフォン」が好例でしょう。アジアやアフリカには、人類がまだ見ぬ新しい光景が広がっています。

翻って、先進国の日本はどうでしょうか?企業規模の大小を問わず、すでにICTは企業経営においてなくてはならない存在です。日々のブログでも述べさせていただきましたが、もし自分の会社の社長がAIだったらどうなるでしょうか?私自身も考えさせられるテーマです。
これが20年前であれば一笑に付すだけでしょうが、現代の技術の進化と経営環境の激変ぶりを考えると…冗談では済まされないのかもしれません。「人間自身が遂行する業務の大半はICTに置き換えられる」という意見は、企業経営者の立場ではおおいに頷けるものです。
日常業務を振り返っても、必ずしも人間が手を下さなければならない業務というのは意外と少ないものです。効率化と合理化を否応なく求められる現代の日本企業の経営の現場では、ICTに置き換えられる業務は少なくないはずです。

とはいえ、ICTにも限界があるという意見も数多く聞きます。人間の力が必ず必要であるというご意見です。私もこの意見には大賛成です。しかし、これからの時代は人間の力とは何なのか?
アナログ的な力とは何なのか?を再考しなければならないと思っています。例えば、AIが創作した小説が文学賞の第一次審査を通過したことが大きく報道されました。小説のようなクリエイティブワークの世界もAIの対応範囲なのか、と驚きますが、そもそもクリエイティブワークとは何なのか?を再考してみる必要があると思います。これも私がセミナーなどの際よくお伝えしている「アイデアのつくり方」にヒントはあります。この本では“アイデアは既存の要素の新しい組み合わせ”と述べています。とすれば、その組み合わせのパターンを学習したAIならば処理は可能になるはずです。私たちの身の回りには“人間にしかできない”と思い込んでいる仕事が数多く潜んでいるかもしれません。
では、これからのICT社会、ICT経営に求められる人間の力とはなんでしょうか?
私はその答えを皆さんと共に意見を出し合い、議論し、探求していきたいと思っています。
中小企業がICTを最大限に活用し、激変する時代へ適応していくためにも、この答えが重要になるでしょう。

今年の8月から9月にかけて「エマージンググローバルエリアで学ぶ次世代経営者塾」を開催します。この経営者塾においても、これからの時代に求められる人間力、アナログ力について皆さんとおおいに語り合えればと思っています。

(本記事は、2016/06/23 BRAIN NAVI15号に掲載したものです。)
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