SDレビュー2019を見学して
noteを始めてみました。
まだまだ試行錯誤です。
僕が生業とする建築のこと
趣味のコーヒーやランニング
そして奈良での逗留生活
について共有できればと思います。
さて建築についてです。
SDレビュー2019の京都展を見学してきました。
そのレポートです。
SDレビューって何?という人が大半だと思いますので簡潔に説明すると、現在進行中のプロジェクトを募って、その中から優れたものを選抜する、ちょっと変わった建築のコンクールです。若手建築家の登竜門という位置付けです。例年、選抜されたプロジェクトが東京と関西で展示され、今年は京都の京都工芸繊維大学にて展覧会がありました。
あんまり詳細を書くと、これから見に行く人にネタバレになるので、さらっとレビューします。
模型の表現が面白い。これ地面を透明にして下から屋根を見上げるように見せています。これだけで空間の緩やかな仕切り/繋がりと架構の工夫が一目瞭然です。
階段が四周に巻き付いて中央にスラブが積層されています。全周サッシで開放感があるのに、階段で緩やかにプライバシーが担保されています。構造形式も明快でした。
素材のサンプルを並べることで、実際の建築が持つ力をまだ未完なのに強く訴えていました。
途上国しかも被災地で教会をつくるプロジェクトです。つくる建築の小ささと社会に与える影響の大きさが反比例するほどに建築をつくることの意義を深く感じされられます。
芸術家一家のための離れをつくるプロジェクトで非常に趣味的なのですが、そもそも建築は個人の趣味的な部分をいかにすくい上げるかが大事なのではないかと考えさせられました。
10年しか使わない建築。だからつくり易さと壊し易さにフォーカスしてる。なのになんだか楽しそうなのが魅力的でした。
グラスホッパー駆使系の唯一の作品。最近雑誌なんか見ててもグラスホッパー使ったなぁという作品はたまに見ます。でもこれはグラスホッパーを"使った"ではなく"使っている"進行形に焦点を当てたことで突出したのだと思います。某ゼネコンさんでしたが、展示へのお金の掛け方がハンパなかったです。
※グラスホッパーはライノーセラスという3Dソフトでパラメトリックデザインを行うためのプラグインです。
お堂。社会貢献とか環境とか、それはそれでとても大切ですが、そういうことに注力するあまりに平凡な形の建築がありふれる近年にあって、形の力だけで勝負してきたこの作品はすごい。
お寺の庫裏の改修。構造や内装に手をつけず、一本の動線を挿入することで、空間を再構築したのは鮮やかでした。内外も分け隔てなく繋がれています。
とにかく個人的には刺激を受けモチベーションが上がりました。
会期は10/25までなので、まだ見てないって方には是非足を運んでいただいて、おいしいコーヒーでも飲みながら一緒に建築談義をしたいなあと思います。
拙い文章にお付き合いありがとうございました。
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