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【美味しさが染み渡る和えものにしてくれる】「醤油洗い」と「酢洗い」の効果

「しょうゆ洗い」と「酢洗い」。ご存じの方もいらっしゃると思います。
この2つは日本料理の調理法で、

「どちらも主に、酢のものやあえものを作るとき」

に用います。

美味しくない和えものとは?

敢えて考えてみると、

✴︎なんか水っぽさが感じられる
✴︎味がぼやけている
✴︎味が全体に行き渡っていない
✴︎食材の食感がイマイチ

などが挙げられると思います。

最後の食感は、また別問題として
最初の3つは、このしょうゆ洗いと酢洗いで
ほとんど解決すると思います。
(ほかにも理由はありますが)

和えものを日々、あれこれとつくる私にとっては、どちらも当たりまえのように日常的にやることであり、どうしても時間のないときには仕方なく省く工程でもあります。笑
でも、この2つをするのとしないのでは、和えもの(または酢の物)の美味しさに大きな違いがあることだけは間違いありません。
また、基本的にこの2つはかなり似た目的のために行います。

◆しょうゆ洗いについて

しょうゆ洗いとは、
茹でたり蒸したりした野菜の水分を絞った後に醤油をまぶして、さらに汁気を絞ること。(肉や魚にもしょうゆ洗いをする場合がある)

◉和えものにおける「しょうゆ洗いの効果」

・醤油の塩分により素材の水分が引き出され、野菜が水っぽくなるのを防いでくれる。

・薄く下味がつき、さらにそのあとに和える和え衣(酢の物であれば調味酢)がより染み込みやすくもなる(馴染む、といったほうがよいかもしれません)。

・主に野菜に用いられますが、 臭みを除いたり、身を引き締めたり、下味をつけるために肉や魚介類にもしょうゆ洗いをすることがある。

◉しょうゆ洗いのやり方


野菜をゆでて(または蒸して)しっかり絞った後に醤油をまぶして、また絞って水分を出します。
といっても親の仇のようにギュウギュウと水分を出す必要はなく、それだとほうれん草など野菜自体の旨みも出ていってしまいます。
使用するお醤油の量は青菜200gに対して小さじ半分程度。ほんの少しですね!
ただし、まぶして長く放置しておくと、ほうれん草など青菜が変色するため(醤油は酸性のため)出来るだけ盛り付ける直前に行うようにします。

写真は茹でて水気を絞ったニラに
お醤油をまぶしたもの
上のものの汁気を出したところ

このしょうゆ洗いは、インゲンの胡麻和えなど
青菜でない野菜にもすることがあります。
私の和えものレシピでは、「えっ?こんなものまでしょうゆ洗い(または酢洗い)するの?」と
言われそうなぐらい、かなりよく登場します。
でも、面倒なときは省いていいですよ、と大抵は書いていると思います。笑

さて、しょうゆ洗いと同じような目的で「酢洗い」があります。
それでは続いて「酢洗い」についてご説明しますね。

◆酢洗いとは

酢洗いとは、
「素材に酢をふりかけたり、酢水の中にさっと素材(魚介類、特に貝類が多い)をくぐらせること(ふり洗い)」です。

◉酢洗いの効果について


・余分な水分が出てくるのを防ぎ、酢の味をしみ込ませることができる。

・酢のものであれば、あとで加える調味酢(酢、出汁、醤油などを合わせたもの。二杯酢や三杯酢など)がより馴染みやすくなる。

・また酢洗いは、魚介の生臭さを消すことができるほか、身を引き締めたり、表面を殺菌する効果もある。

◉酢洗いのやり方


お酢に含まれる酢酸は、魚のタンパク質を変性させる性質があるので、魚の大きさによってお酢に漬けておく時間が本来変わってきます。
ただ和えもので魚や貝を使う場合は、薄くスライスまたは小さく切った魚であったり、小さな貝であることが多く、その場合はお酢に浸けることはせずに、さっとお酢または酢水で洗う程度で十分です。もちろん酢洗いしたら、水気をよく拭き取ります。

酢水の場合、どれぐらいの割合かと言うと、水180mlに小さじ1程度のお酢でも殺菌や消臭作用はあるようですが、私はいつも1対1を目安に酢水を作ります。お酢を直接かけることもあります。

こちらはホタテのお刺身を和えものに使う際、
軽く塩を振ったあとに酢洗いしています。

魚介の入る(特に貝)酢の物だけでなく、酢味噌和えなどお酢が入る和え衣の和えものを作るときは、出来るだけ酢洗いをすることをおすすめします。

「魚貝だけではなく、野菜を酢洗いすることもある」

酢洗いは何も魚介類だけではありません。野菜も酢洗いすることがあります。和えものや酢の物は水っぽくならないようにすることがとても大切です。

例えばきゅうりの酢の物をつくる場合、
お塩をまぶして水気を絞ったものに調味酢を合わせるだけでは水っぽさは残ってしまいます。その状態だと調味酢の味を濃くしがちで、素材の味が楽しめませんね。
そんなときに、

塩をした素材の水分をよく絞った後に、まず「酢洗い」してまた水気を絞り、そのあとに調味酢を合わせて、さらに汁気を絞ります。

本来、このときの「酢洗い」は、あとで合わせる「調味酢」を使うことが多いのですが、私が提案する和えものはレシピを見ていただくとおわかりになるように、和え衣(酢の物であれば調味酢)を分量計らず、味を見ながら作っていくスタイルなので、あらかじめ調味酢をつくりません。
したがって、たとえばきゅうりの酢の物を作る際のきゅうりの「酢洗い」は
「塩もみ」をしたあとに「醤油(淡口醤油)+酢」を1対1で合わせたもので洗っています。


「しょうゆ洗い」や「酢洗い」のひと手間をかけることで、食材の余分な水分や臭みを取り、一段と和えものの食材に和え衣がなじみ、一体感のある味に仕上がりますよ!

是非、お試しになってみてくださいね。

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